「幸福の王子」に施しを受けた者は流刑か死刑になった可能性あり
昨日この記事で
「そもそも貧しい民に金箔やら宝石やらを恵んだとしても、もらった方が窃盗を疑われて処刑されて不幸になるだけ」
と書きました。
実際調べました。
16~18世紀の英国では、窃盗犯は流刑か私刑
流刑先は、当初はアメリカ(当時は英国植民地)。
しかし18世紀初めにアメリカが独立してしまったので、流刑地に使えなくなりました。
そこで次は南アフリカ(同じく当時は英国植民地)に切り替えます。
そして18世紀末にはオーストラリアが新たな流刑植民地となりました。
一方で「5シリング以上の窃盗犯は絞首刑に処された」という資料も見たことがあります。
5シリングは1/4ポンド。
ポンドの価値は、当り前ですが時代によって変遷します。
なので日本円に換算しての解説が大変難しいのですが、ある資料では18世紀頃の平均的労働者の2か月分の生活費が約1ポンドとありました。
仮に1ポンド50万円と仮定してみましょう。
すると5シリングは12万5千円になります。
日本の時代劇ではよく「10両盗めば死罪」という台詞が使われます。
10両の価値も江戸初期と末期では変わりますが、中期(18世紀頃)で約130万円です。
窃盗で死刑になる目安が日本では130万円相当、英国では12万5千円相当。
当時の英国、特にロンドンは窃盗犯が多過ぎたため、手を焼いた統治者が極端に厳罰化していたという説もあります。
結論:そして皆不幸になった(王子を除いて)
そういったわけで、幸福の王子からいきなり金箔をもらった貧しい庶民たちは、おそらく流刑になってます。
王子の目(ブルーサファイア)をもらった二名に至っては、死刑になった可能性もありでしょう。
銅像が仮に等身大として、瞳のサイズのブルーサファイアが12万5千円相当以下ということは考えられないためです。
ありがた迷惑。
支援・義援・援助は適切に。
自己満足はやめましょう。
それにつけてもツバメの可愛さよ。
画像は日本気象協会よりお借りしました。
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