肝心な点を書いてない独りよがり記事を検証する・例)パキスタンの「違法結婚」とは
上は
「パキスタン元首相が『イスラム教の教えに反し違法に結婚した罪』で禁錮7年と罰金を科す有罪判決を言い渡された」
という記事です。
しかし、肝心の「どういう点が違法だったのか」が全く書かれていません。
文章の基本・5W1Hを意識せず書かれた、伝わらない文章だと思いました。
<5W1H>
❶When :いつ
❷Where:どこで
❸Who :だれが
❹What :なにを
❺Why :なぜ
❻How :どのように
どれかが欠落すると、言ってる(書いてる)方の独りよがりになって、聞いてる(読んでる)方には正しく伝わらないおそれがあります。
「かといって毎回5W1Hを全部書くと冗長になるので、臨機応変に情報を省略した方が伝わりやすい場合もある」
という応用テクニックもありますが、あくまで応用。
初手からいきなり省略されたら、何が何やら。
仕方なく別記事を探しました。
イスラム家族法によると、女性は夫の死亡または離婚後数カ月間は再婚が禁止されている。 マネカ氏※₁側は、ビビ氏※₂が離婚後、規定された期間が過ぎる前にカーン氏と結婚したと主張している。
※₁カーン元首相の第三夫人、ブシュラ・ビビ氏の元夫
※₂カーン元首相の第三夫人
はい、ようやく飲みこめました。
ただしこの記事にもまた謎が残ります。
離婚後数カ月間って、なんやねん。
数カ月間って。
その法を根拠に実刑を言い渡されるのに、漠然と「数か月」って。
人によって伸びたり縮んだりするとでもいうのか。
あり得ないでしょう。
この点はロイターの記事が一番わかりやすい表現だと思いました。
夫妻の結婚を巡っては妻が元夫と離婚してカーン氏と再婚するまでにイスラム教で定められた待機期間を守らなかった疑惑が争われた。
「数か月」とか、さらなる疑問を誘発するような中途半端な表現はせず
「イスラム教で定められた待機期間を守らなかった」
とだけ書くことで、一番スッキリと伝わる文章になっています。
とはいえ、一度「数か月」を読んでしまうとどうにも引っかかるので、さらに調べました。
イスラム教は女性の再婚に対しイッダ(待婚期間)を求めている。
離婚の場合のイッダはイスラム暦(陰暦)の 3 か月(約 89 日)。
死別の場合は 4か月と10 日(約 128 日)。
死別または離婚時点で妊娠している場合は、出産が終わるまで続くと定めている。
(Wikipedia英語版を要約)
やっと飲みこめました。
カーン元首相とブシュラ・ビビ夫人の画像はロイターよりお借りしました。

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