HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

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It is getting hotter.
Be careful not to eat too much cold food.
This year's ducklings will hatch soon.
How many ducklings will we see ?

日テレ「動物のお医者さん」ドラマ化でも原作者軽視をやっていた…(後編)


こちらから続いています。



人気マンガ「動物のお医者さん」©︎佐々木倫子氏のドラマ化を企画した日テレ。
堂本剛を主役に据えて話を進め、原作者の佐々木氏にはギリギリまで知らせず。
(今問題になっている「セクシー田中さん」©︎芦原妃名子氏問題とそっくり)


そして結局、原作者からは想定外の拒絶をされてしまう。
(佐々木倫子氏は強かった!)


慌てた日テレは、結局オリジナルドラマという体裁に変えて企画を強行。
「獣医学生もの」という輪郭だけを薄ぼんやりとパクった別物が放送されました。


それがこちら。


私はこちらのドラマは見てません。


なので上のWikipediaで初めてあらすじを知りました。


あまりにベタで笑ってしまいました。


  • 獣医学生の主人公(堂本剛)が保護犬ロシナンテを引取る。(ここだけ「動物のお医者さん」通り)
  • 人間と動物の関係に苦悩し始め、獣医になる意味を見失ない、引きこもる主人公。(早くも逸脱)
  • 他の犬を庇って交通事故に遭い、脚に後遺症が残る。(ベタや)
  • 引き取った犬を介助犬に訓練することで、獣医学生を続ける意味を見出す。(ベタや)
  • 同じ獣医学生(水野美紀)と淡いロマンス。
  • 介助犬を必要としている少女に出会い、犬を譲る。
  • 獣医師になった主人公の元にある日重傷を負って瀕死のロシナンテが運ばれてくる。
  • ロシナンテは複数の犬に襲われた少女を守るために戦ったのだ。(ベタや)
  • 最期は元の主人の元で、と少女が希望して敢えて運ばれて来たのだった。(感動の押売り)

これがもし「動物のお医者さん」用に作られていたプロットだったとしたら、原作者が拒絶したのも頷けます。

「動物のお医者さん」が画期的と言われた理由は…たくさんありますけど、特に顕著だった点は大きく二つ。

❶恋愛(色恋沙汰)がない


どんな話を書かせても、読者に不自然感を抱かせずに恋愛要素だけをキレイに抜くのがこの作者の作風。

結婚や出産のネタは出てきても、色恋沙汰はミリも無い。

だからといって異性嫌いということでもない。

結婚やら出産やらのエピソードは、パッと思いつく限りでは例えば…
  • 菱沼さんのいとこの結婚式。
  • ハムテル達の実習先の獣医師の奥さんが出産。

でも恋愛は描かれない。

❷登場人物(というか登場生物)が死なない


変人スレスレの癖の強い登場生物はいくらでも出てくるけど、と言うか、ほぼ全員が「無くて七癖※」的に癖があるんだけど、悪人はいない。

※どんなに癖のない人でも七個程度は癖がある。それが個性!という含蓄の深いことわざ。

それが佐々木倫子ワールド。

ある作品単体の世界観ではなく、作者の作風そのものなんです。

それをありきたりの手垢まみれの感動強要話の数々にすり替えられたら、そりゃ拒絶しますわ。

そういえば佐々木倫子氏は、「動物のお医者さん」の次作品「おたんこナース」(看護婦もの)から小学館に執筆の場を移しました。

以降「Heaven?」(レストラン経営もの)「チャンネルはそのまま!」(地方放送局もの)と、小学館で描き続けられました。

先月から刊行が始まった「動物のお医者さん新装版」も白泉社ではなく小学館からの刊行です。

だから小学館が白泉社から著作権を買い上げた※のか〜(何かあったな)とは思っていましたけど、そうだったのか。

※マンガの著作権は作者と出版社の共同持ちになるはずです。

単行本(白泉社)、文庫版(白泉社)、愛蔵版(白泉社)を経ての新装版(小学館)。