HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

いらっしゃいませ。お好きな記事へどうぞ。

   

It is getting hotter.
Be careful not to eat too much cold food.
This year's ducklings will hatch soon.
How many ducklings will we see ?

結晶化は純粋な蜂蜜の特徴です(後編)


こちらから続いています。


通販サイトで蜂蜜のレビューを見ると散見する「固まって使いにくい」「固まったからもう買わない」「古いのを送られた?」「混ぜ物が入ってる?」「偽物?」といった勘違い認識に驚いて書いております。


日本では「蜂蜜はトロトロしているもの・トロトロであるべきもの」という通念が強いため、蜂蜜の自然な現象である「結晶」が嫌われる傾向が強いようです。


しかし蜂蜜は結晶してこそ自然、という話が前編でした。


とはいえ「トロトロ信仰」は強いし、トロトロしてる方が加工が簡単だし、加工費も安く済みます。


また最近は瓶ではなくスクイーズボトルや小分けパックの需要が高いから、トロトロしてないと絞り出せなくない?


というわけで、結晶しにくいように(一部では絶対結晶しないように)加工された蜂蜜が多いのが現状です。


加工蜂蜜は3種類


❶加熱蜂蜜


製造過程での取扱い・大量処理を容易にする目的の「低温加熱処理」はスーパーなどに並ぶ廉価品の蜂蜜のほとんど全てで行われています。


❷加糖蜂蜜


人工甘味料(水飴や砂糖、人工甘味料)を加えたもの。高価な生蜂蜜に安価な混ぜ物をすることにより、価格を安く抑えられる。
また結晶の原因となるブドウ糖が薄まるため結晶しにくくなり、スクイーズボトルや小分けパックに加工しても使いやすい。
一部の人には「いつまでもトロトロしてるから、本物」と誤解され、一石二鳥。
混ぜ込む人工甘味料の種類によっては「低カロリー」を謳えるので、これも一部の人には「ヘルシーで良い」と誤解される。


❸精製はちみつ


はちみつから色・匂い・栄養成分を除去した無色無臭の甘味料。
ハチミツ入りドリンクなど「蜂蜜入り〇〇」と銘打ちたい食品に添加するために作られる。
生蜂蜜を食品に添加すると、温度などの条件で食品中でも蜂蜜の結晶が起こり、白濁したり食感がジャリジャリになったりしてクレームになるため、何があっても絶対に結晶しなくなるまで加工したもの。


「栄養成分も除去」という点がポイントで、つまり「蜂蜜入り」と銘打っていても蜂蜜特有の栄養成分は入ってません。


❶はまだしも❷が「トロトロしてるから、本物」と誤解され評価されているのは、私のような結晶蜂蜜愛好家からすれば「ぐぬぬ・・・」です。


こうしたことを言うと「でも、メープルシロップは固まりませんけど?」という反論を受けることがあります。


だって、メープルシロップは蜂蜜じゃないもん。


日本語ではトロトロしていて甘い物を全部「蜜」と表現するので紛らわしいですが、メープルシロップはメープル(サトウカエデ)の樹液です。


樹液=カブトムシやクワガタが舐めてるやつ。


サトウカエデの樹液は、そのままでは粘度が低いし人間の舌には甘みが弱いので、煮詰めてトロトロにして甘みを上げたものがメープルシロップです。


蜂蜜(花の蜜)と違い、樹液は煮詰めても栄養分が壊れません。


それどころか、メープルシロップには現在67種類のポリフェノールが特定されていますが、その中には煮詰めないと生成されない「ケベッコール※」まであります。


※2011年に発見された新しい成分。
カナダのケベック州(メープルシロップの最大産地)にちなんでケベッコールと命名された。


前編で「蜂蜜はトロトロしているのが本物(のはず)」と思い込んでいる人は「パンケーキシロップと勘違いしてませんか?」と書きました。


昔の、というか本来のパンケーキシロップは、純粋メープルシロップだったと思います。
しかし純粋メープルシロップは、純粋蜂蜜に比べればかなりお安いですが、水あめ(トウモロコシやジャガイモのでんぷんと麦芽糖で作る)ほど安価でもありません。


グレードの高いメープルシロップはそこそこいいお値段です。


高級ブランドのこちらは、450mlひと瓶で5千円超!

画像は上記公式よりお借りしました。


なのでメープルシロップに安価なぶどう糖果糖液糖・水あめを加えて増量し、薄まった香りや色を補うために香料やカラメル色素を加えた加工品の「パンケーキシロップ」が登場しました。


更にはそこからメープルシロップを抜いたパンケーキシロップも売られています。


つまり、ぶどう糖果糖液糖・水あめ・香料・カラメル色素だけで作られたパンケーキシロップです。


メープルシロップは蜂蜜のような乳児ボツリヌス症を起こす危険性はありません。


乳児ボツリヌス症が起きるのは1歳未満。


1歳を過ぎれば腸内細菌がボツリヌス菌萌芽を殺せるようになるため、蜂蜜を与えても大丈夫、というのが国立感染症研究所および厚生労働省の見解です。


しかし、用心のために、未就学児に与える甘いシロップは蜂蜜ではなくパンケーキシロップというご家庭も少なくないでしょう。


その幼児体験が「蜜はトロトロしているのが本物、固まるのは偽物」という思い込みを作ってないか?というのが私の個人的な想像です。


しかし純粋メープルシロップを蜂蜜と勘違いされたらまだ仕方ないですが、ぶどう糖果糖液糖・水あめ・香料・カラメル色素だけで作られたパンケーキシロップを蜂蜜と思い込まれてたら…。


それを基準に結晶蜂蜜にダメ出しされたら…。


再び「ぐぬぬ・・・」しか言えなくなる結晶蜂蜜愛好家なのでした。