聖路加国際病院は「せいルカ」です「せいロカ」ではありません
ある医師の方が書いた文庫本を読んでいたら、「聖路加国際病院」にわざわざ「せいろか」とルビ(ふりがな)を振られていました。
病名や臓器名など、その本の想定読者層(中年以上)の一般人(私のようなヲタクを除くという意味)には馴染みが薄いのでは?と思われる単語にもルビが付いてないものもあります。
なのに話の本題でも何でもない聖路加病院にルビが付いていたので、少し目立ちました。
そして、それが「せいろか」だったのには驚きました。
知ってる人は知っていることですが聖路加病院の読みは「せいるか」です。
というのもキリスト教の聖人、聖ルカ(Saint Luke)に由来しているためです。
聖ルカは新約聖書の「ルカ福音書」や「使徒言行録」の著者とされる、シリア生まれの医師。
英語ではルーク、ギリシャ語ではルーカス。
画像は2点ともAmazonよりお借りしました。
西洋では医師の守護聖人。
このルカの日本独自の漢字表記が路加です。
アメリカを亜米利加、キリストを基督と表記するのと同じです。
英語名は、日本名が築地病院だった頃からSt Luke's Hospital。
後に日本名の方が英語名に合わせて聖路加病院に改称しています。
ただ「路」を「ろ」と読む人が多過ぎたため、誤読の方が幅をきかせ、都バスのバス停のルビも「せいろかびょういんまえ」。
都バスのアナウンスも堂々と「せいろか〜」と言ってました。
病院側もそのへんはも黙認していたようです。
しかし2007年に病院から報道機関などに正式名称使用の要請が出され、TV各局でもルカ読みに統一されました。
画像はTV東京の「出没!アド街ック天国」2016年10月8日「築地 明石町」回のもの。
「るか」とルビが振られています。
画像はテレ東公式よりお借りしました。
今さら変更すると利用者が混乱する、などを理由に頑固にズルズルと誤読のまま押し通していた都バスも、2020年にとうとうルカに改めています。
私が読んだ本は2007年よりも後に初版が出ています。
それでも著者が医師でなければスルーしました。
しかし、医師が、本題とは関係ないのにわざわざ名前を引き合いに引っ張り出して、そして間違ってるというのは「あれ?」でした。
そうなるとその本の主題である、その医師が独自に主張する「〇〇健康法」自体が少々怪しく見えてきてしまったのです。
もう、いっそ余計なルビなど降らなければよかったのに…。
ルビ見本の画像はIT用語辞典よりお借りしました。
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