緊急車両と緊急走行の定義のおさらいをしましょう
昨日こういう記事を書きましたが…
その後、報道記事のコメントを見ると
「救急車にサイレン鳴らして来られると近所のやじ馬が集まって来るし、噂になるから『サイレン鳴らすな』の要望はごくごく普通」
「そのくらいはみんな言ってる」
等と主張して、消防署の怠慢だと非難する意見が少なからず散見され、驚きました。
緊急車両、緊急走行の定義が全く分かっていない日本人が一定数(しかも「ごく一部」レベルではなく)いるのに驚きました。
緊急自動車:消防用や救急用・警察用などの、緊急用務に使用する車両を指す。
緊急走行 :法令に基づき緊急用務に使用するべく対応するための特別な走行。緊急走行中は赤色警光灯および音響装置(サイレン)などを用いる。
緊急自動車は、赤色警告灯を点灯させサイレンを鳴らしながら走行している場合のみ、道路交通法により道路の一部をはみ出して通行することや、赤信号の交差点に進入できることなどの特例が認められている。
また同じく道路交通法により、通常時速60キロ制限の一般道でも、時速80キロまでの走行が特例で認められている。
「特例が認められている」は言い換えれば「義務付けられている」です。
つまり「サイレンを鳴らさずに走っている救急車」は一般車両扱いです。
赤信号で止まらなくてはいけませんし、スピードも出せません。
周りの一般車両にも、救急車に道を譲る義務は発生しませんから、渋滞に巻き込まれても抜け出せません。
つまり「サイレンを鳴らさずに来い」は
「一般車両として、赤信号ごとに止まりながら、渋滞にハマったら何時間かかってもいいから、ゆっくりのんびり来い」
ということになります。
消防が「応じられない」と答えるのはそのためです。
そんなことをしてる間に普通の救急患者の2~3人は対応できてしまいましから。
「緊急性がないのであれば介護タクシーを呼んでください」
はごく真っ当な回答です。
「救急車にサイレン鳴らして来られると近所のやじ馬が集まって来るし、噂になるから『サイレン鳴らすな』の要望はごくごく普通」
「そのくらいはみんな言ってる」
という人たちは、では消防車にも同じことを要求してるんでしょうか?
救急車のサイレンよりも消防車のサイレンの方がよほど音量が大きいし、メロディも緊迫感が高いですよね?
消防車は火災出動の緊急走行中は、「火災出動である」ということを知らせるためにサイレンに加えて鐘音(カン・カン・カンと鐘を叩く音)まで鳴らします。
火災出動でない場合(ガス漏れ事故、油漏れ事故対応など)と区別するためです。
「家が燃えてるんですですけど、やじ馬に見物に来られたくないから、サイレンも鐘音も鳴らさずにこっそりと消防車をよこしてください」
って言ってるんでしょうか?
本当に?
「消防車には言えるはずないだろ」
というのであれば、なぜ消防車には言えないことを救急車には言えるのかと問いたい。
その考えの根底には、たとえ無意識であろうと「救急車≒無料タクシー」という意識が潜んでいる危険性があると感じます。







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