このポスターを見て何も違和感を感じない人の感性に戦慄する
安達結希君の情報提供を呼び掛けるために近隣に貼られたというポスター。
見た人の多くが「どこかがおかしい」「違和感を覚えた」「犯人はこのポスターの制作者だと言ってるようなもの」とSNSに書く一方、「普通の迷子探しポスター」「これは警察主導で作らせたものだ、知らんのか」「名誉棄損で訴えられるぞ」t等々と反論する少数派もいて・・・。
といった状態でしたが、ようやくそのポスターがマスコミによって公開されました。
そして私は、見た瞬間、反射的に違和感を覚えました。
その日はいていた黒いスニーカーは、履いている状態の足元の拡大画像なので、たまたまそれを履いて写っていた結希君のスナップ写真から足元だけを切り取って拡大して…と考えられます。
しかし、その日着ていたとされるトレーナーやフリースジャケットの画像は何なんでしょう?

まるでフリマサイトの画像のように、トレーナー単独、フリースジャケット単独で、広げた状態で正面から撮影されている。
子どもの服を、あらかじめこんな状態で撮影していたストック画像があるというだけで違和感です。
それなのに、顔写真は、失踪当初から繰り返しマスコミが使っていた写真2種のうちの1種、一枚きり。
しかも顔画像が靴画像より小さい。
普通の「失踪児の情報提供求むポスター」は、もっと子供の顔写真をたくさん並べるでしょう。
正面向きアップ、横向きアップ、全身、など。
子どもの失踪がもし誘拐なら、服などは誘拐犯に着せ替えさせられる可能性もあるのですから、こんなに服や靴ばかり強調してもしょうがない。
人間の認知力は、他の人間の顔に対して特別な働きをします。
具体的に言うと、人間の脳には「顔認識専門領域(顔パッチ)」と呼ばれる場所があり、瞬時に相手の目・鼻・口の配置や表情を処理しています。
「顔認識専門領域」は主に3つの異なった部分で構成されています。
紡錘状回顔領域(Fusiform Face Area: FFA)
後頭葉顔領域(Occipital Face Area: OFA)
上側頭溝 (Superior Temporal Sulcus: STS)
これらの脳の各エリアが瞬時に連動することで、「人間の顔」は「その他すべて」とは全く違ったメカニズムで認知されます。
人間に「パレイドリア現象」と呼ばれる心理現象が容易に起こる理由も、この「顔認識専門領域」の過剰稼働です。
「パレイドリア現象」の代表格は、「壁のシミや板の木目、何かの影、果ては3つの点が逆三角形に並んでいるだけ」でも顔のように見えてしまうというものです。
人間の顔だけは他のものと区別して認知しなければいけないという使命感が強い脳ほど、これ⇩を顔と見立ててしまうのです

つまり、「人探しポスター」のキモは「顔」。
そして普通の人は「顔認識専門領域~」などというしゃらくさいウンチクを知らずとも、本能的に顔情報の重要性を知っています。
だから古今東西を問わず「人探しのポスター」はとにかく顔を強調する。
下は楽天市場よりお借りした「迷子猫探しポスターのテンプレート」です。
猫ですらこれです。

黒猫は特に個体識別が難しいので首輪が強調されていますが、だからといって首輪だけの単独画像など意味はありません。
何故なら市販品(他の猫の飼主だって買えるもの)だからです。
その別格に大切な顔情報を強調せず、5枚の画像中4枚を「モノ」でお茶を濁した人探しポスター。
この結希君の捜索ポスターの現物を見て、なお
「何の違和感も感じない。おまえら(おかしいと言っている人)全員名誉棄損で訴えられるぞ」
と発信していた人こそ、私は怖くて怖くてたまりません。







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