睡眠と夢>「熟睡すれば夢を見ない」は都市伝説(後編)
これらの記事の続きです。
「夢を見ないのは熟睡しているためであり、健康の証である」
という都市伝説の話から続いています。
実際、最近でもまだメンタルクリニックや睡眠外来を訪れて
「私は夢ばかり見るので、不眠症です。治療してください」
と訴える方が少なくないと医師が書いてるのをネットで見ました。
その医師の答えは
「夢は睡眠中にしか見れませんから、あなたはちゃんと眠っています」
ごもっとも。
本当に全く眠れてない人は、脳の過労に起因する幻覚は見るかもしれませんが
それは夢とは全く別物です。
「幻覚・いらすとや」で出てきたイラスト。
確かに人は一晩に3〜5個の夢を見ていても、通常覚えているのは最後の(覚醒直前の)
夢1個のみと言われます。
ただし夜中に何度も中途覚醒を起こす人は、覚醒する都度の直近の夢を覚えている
ことがあります。
ですから昨夜の夢を2個以上覚えているなら立派な不眠症ではないのか❓
というご意見もあるでしょう。
ここで不眠症の定義を再確認しましょう。
<出典元:不眠症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)>
不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。
さらにこう続いています。
不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。
つまり多少の中途覚醒があっても、それにより身体的不調が起きていなければそれは病気(不眠症)ではないということです。
不調が起きていないのに「夢は見ないのが健康」という都市伝説に惑わされて要らぬ心配をすると、ネガティブ自己暗示により不眠が悪化して、出ていなかった不調が出現する可能性があります。
なので上記の医師の言葉のように
「夢を見るのは寝ている証拠」
くらいのポジティブ自己暗示をかけた方が、自分の利益になるというお話です。
体は眠っているのに脳だけが覚醒している状態=「レム睡眠」
この時に脳が昼間の記憶を整理するのが「夢」
夢の話はもう一回だけ続きます。
「初夢で悪夢を見た場合の対処法」
です。
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