「宇宙の騎士テッカマン」をふと考えた
ガッチャマンやヤッターマン、ハクション大魔王などでおなじみのタツノコプロ制作のTVアニメです。
ジャンルはSF返信ヒーローもの。
初回放送は1975年7月2日~12月24日、NETテレビ(現・テレビ朝日)。
全26話。
※当初は1年50話予定だったのが半分で打ち切りに遭いました。
ストーリーは以下の通りです。
「宇宙の騎士 テッカマン」(タツノコプロ)
時は21世紀。
環境汚染が進み、既に植物がほぼ死滅した地球。
科学者たちは他の天体への全人類移住計画のため、超高速航法の研究を進めている。
そこへ、何故か物好きな宇宙人がそんな汚れきった地球人が捨てかかっている地球を征服しようと攻撃してくる。
主人公・南城二は、天地博士が開発した宇宙活動用システム「テックセットシステム」によりテッカマンに変身し、侵略者に立ち向かう。
※テックセットシステム※
人間が真空状態でも宇宙服なしで活動できるよう、細胞を凝縮強化するシステム。
ただし適合する者はごく少数に限られ、更に時間制限がある。
城二は稀な適合者の一人であり、強化人間「テッカマン」に変身し、侵略者(宇宙人)と戦う。
私は再放送で2度は観た覚えがあります。
昔はTVアニメの再放送って何度も繰り返しやってましたからね。
最初は小学生の時だったので訳も分からず手に汗握って観たのですが、2度目に見た時は中学生だったからさすがに思いましたよ。
中学生ミリエ
「もう人類は住めないから捨てて引越すつもりの地球なんでしょ?捨てるんだったら欲しい人に譲ってあげればいいんじゃないの?なぜ捨てるつもり満々なのに死守しようとしてるの??」
よく
「洋服などを捨てる時、他人が拾って行ったりしたら嫌だから、全く傷んでない服でもわざとハサミを入れて再利用できないようにしてから捨てる」
と言う人がいますよね。
「だって、いくら捨てた物であっても、他人が着るなんて気持ち悪いじゃないですか」
だそうです。
それが「常識。当たり前」と指示する声もよくネットで見ます。
一方で「もったいないから」「必要な人に活用してもらいたいから」とバザーやフリーマーケットに出す、古着屋に売るという人もいます。
「テッカマン」ではその辺を正当化するために、地球を欲しがる宇宙人は徹底した悪の侵略者として描かれました。
見た目もギリギリ辛うじてヒューマノイド(人間型)ながら、まるで妖怪人間のような生理的嫌悪感をもよおさせるデザインがなされました。
⬇︎敵の司令官(左)と帝王(右)
大人になってからはさらなる疑問が生じました。
大人ミリエ
「移住先の惑星には人類が到着したらすぐに住めるほどの完璧な環境を求めてるんでしょうね。そこまで環境が整っている星なら、すでに知的生命体が進化途上の可能性が高くないですか?」
まだ文明を持つレベルにはなくとも、例えば今の地球でいうオランウータンとか、環境保護活動家が偏愛してやまないイルカくらいの知能を持った生物がいる星があると仮定します。
あと数百万年待てば、彼らが進化して言語やら初期文明やらを獲得するに至る可能性がある星です。
しかし「少しでも条件の良い引越し先」を探して右往左往している地球人類はきっと都合よくこう考えるでしょう。
「やった!この星には動物しかいないから、移住しても侵略には当たらないぞ」
もしくはこういうケースではどうでしょう。
移住先を探している地球人にとっては完璧な星がありましたが、知的生命体が住んでいました。
しかしその生命体はその星を見限って他惑星移住計画の真っ最中です。
じつはその生命体は地球の植物と同じように、二酸化炭素呼吸を行う生命体でした。
しかし酸素がどんどん増えたため、その生命体にとっては深刻な環境汚染に陥っていたのです。
「ならば私たちは酸素呼吸をしますから一石二鳥だ。譲って下さいよ」
と地球人が言ったら、相手はこう答えました。
「例え我らが捨てる予定の星でも、侵略者などには渡さない。欲しけりゃ勝負しろ!〇〇マン、出撃だ!!」
(ごっつ強そうな変身ヒーロー登場)
子ども向けには手に余るテーマですねえ・・・。
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