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初詣2023>❷幡ヶ谷不動尊荘厳寺&源氏伝説と旗洗池の話


渋谷区本町2丁目にある光明山真言院荘厳寺は、幡ヶ谷不動尊と呼ばれています。
荘厳寺なんて、文字通り荘厳で良い名前ですが、そう呼んでる人を聞きません。


※ただし読みは「そうごんじ」ではなく「しょうごんじ」です。


 


「荘厳寺」という名のお寺は、東京23区内にはあと港区と練馬区にもありますが「幡ヶ谷不動尊」はここだけなので、きっちり差別化するにはいいかもしれません。


門前の商店街は「不動通り商店街」最寄りのバス停は「幡ヶ谷不動尊」(京王バス)。


最寄駅は京王新線初台駅で、新国立劇場オペラシティとは水道通りをはさんで至近距離にあるというのに、この界隈だけは何故か昭和の雰囲気というか下町の雰囲気というかひなびた風情というかを湛えた一角です。


今でこそ地元民以外の参拝者は少なげですが、弘法大師が開いたと言われる由緒正しいお寺です。
江戸時代には成田山真勝寺、高幡不動尊金剛寺と並んで(関東の)「三不動」とまで呼ばれたらしいです。



初台駅にあるのになぜ幡ヶ谷不動尊(幡ヶ谷駅はひとつ隣駅)かと人に聞かれたことがありますが、「幡ヶ谷」は昔は今よりずっと広い範囲を指していたためです。


現在は渋谷区初台(本町)・渋谷区幡ヶ谷・渋谷区笹塚と小分けされて呼ばれている(京王線の駅もそれぞれある)地域がかつては全て「幡ヶ谷」でした。


渋谷区本町と中野区南台の境にある氷川神社も現在でも「幡ヶ谷氷川神社」を名乗っていて、かつての幡ヶ谷が相当広かったことがわかります。


初台駅から幡ヶ谷駅に抜けるのに甲州街道と水道道路に挟まれた住宅街の中を歩くと、幡ヶ谷の地名の元になったと言われる「旗洗池」の跡が人知れずひっそりと残されています。


東郷平八郎(あの東郷元帥ですよ)筆の「洗旗池」の記念碑(それと思って見ない限りただの庭石)と渋谷区が設置した案内板です。
よほど鵜の目鷹の目で歩かない限りまず気づかずに通り過ぎることを保証します。


<洗旗池(はたあらいけ)>


源義家(1039~1106・「八幡太郎」の通称でも知られる、源頼朝や足利尊氏などの祖先)が後三年の役を終えて上洛する(京都に帰る)途中、この池で白旗を洗って傍らの松にかけて乾かしたことから「洗旗池」と呼ばれるようになった。


後に周辺一帯の地名「幡ヶ谷」の由来となったとされる。

池は1963年に埋めたてられた。

跡地には高知新聞/高知放送の社宅、洗旗荘が建てられ現在に至る。


その白旗はのちに現在も渋谷駅東口前、渋谷警察署の隣に鎮座する金王八幡宮の宝物となったと言い伝えられるそうですが、現存するかはわかりません。


初詣2023❸中野不動善成寺に続きます。