ドラマレビュー>「家電侍」<中編>無茶な設定だけど面白い&撮影裏話
<昨日はブログが重かったせいかアクセスが少なかったため、再公開します>
前編はこちらです。
もしも、江戸時代に最新家電が届いたら!?
主演・滝藤賢一でお送りする史上初の家電SF時代劇!
上はBS松竹東急の「家電侍」公式冒頭の紹介文です。
いや、最新家電だけ届いても、電気はどうすんの、電気は。
と思ったら家庭用蓄電池と、自転車型の発電機まで届きました。
しかし、家庭用蓄電池でエアコンまで動かすという無茶っぷり。
何でもつい先日、1月4日の14時から23時に9時間ぶっ続けで全13話再放送+スペシャル版放送があったそうですが、私はそれは観ていません。
こちらがスペシャル版。
☟画像はTVガイドより。
先週の夜に、Amazonプライムビデオでオンデマンドで観たのでした。
スペシャル版はまだプライムビデオに上がっていないので、本編全13話だけ。
時は江戸時代(何代将軍の頃なのかは言及せず)。
貧乏だが愛妻家の兼梨四十郎(かねなし しじゅうろう)は、お参りに行った人気(ひとけ)のない神社でタブレット端末を発見する。
驚く四十郎にカージーと名乗るボイスアシスタントが話しかけて来る。
四十郎が愛する妻の家事負担を軽くしたいと相談するたびに、カージーは炊飯器や洗濯機、お掃除ロボットに冷蔵庫、電子レンジから果ては美顔器やタコ焼き器まで次々と提案。
四十郎が提案を承知するだけで、何故か決済もなしに(つまり無料で)瞬時にNyamazon便で家電が神社宛に配送されるようになるのだった。
兼梨四十郎を演じるのは舞台俳優出身の滝藤賢一さん。
2017年の映画「関ケ原」で豊臣秀吉を演じてた人です。
下画像は時事コムより、その時の秀吉。
☟サル感があっていいと思います。
神社の中でタブレットと談笑するサムライ。
シュールな絵面ですね~。
☟画像はBS松竹東急公式より。
炊飯器はタイガー、ロボット掃除機はパナソニックなど、登場する家電のメーカーはみごとにバラバラ。
あえていろんなメーカーをシャッフルしているようにも見えます。
なので、これは大手家電ショップがスポンサーに違いない、と視聴者は思うでしょう。
少なくとも私はそう思いました。
ヨドバシか、ビックか、コジマか、そのあたりだろうと。
調べた結果➡ノンスポンサー。
え???
スポンサーがつかないままでの番組制作だったようです。
画面からビンビン伝わってくる低予算臭はそれだったのか。
何せ江戸を舞台にしていると言いながらロケ地はひと目でモロバレの日光江戸村。
普通の時代劇には必ず出て来る江戸城も、膨らんだ形状の日本橋も出てはきません。
(なぜひと目でわかるかは前編に詳しく書いています)
馬とか駕籠といった時代劇には欠かせないアイテムも全く登場しません。
うん。
馬(動物タレント扱い)を出演させると高くつくからね。
動物タレントはトレーナーもセットだから、下っ端俳優さんより出演料がお高いです。
大型動物はトレーナー以外の世話係も複数付けないといけないのでますます・・・。
家電の説明をガーシーに説明されるたびに四十郎は「物を冷やすとは、冷蔵庫の中には飼い慣らされた雪女が入っているに違いない」等、妖怪の仕業と考えて納得するのですが、その妖怪の想像図すらただの絵。
しかも版権料が発生するような、例えば水木しげる大先生の絵など使いません。
オリジナルです。
☟画像は鳥取県境港市にある「水木しげるロード」にあるブロンズの雪女像。
画像はじゃらんネットより。
あと、あらゆるシーンで非常に頻繁に背景に粉雪がチラチラと舞うのですが、これが降り方などで一目瞭然ですがCGなどではなく、紛うことなき本物の粉雪。
雪は回想シーンでも普通に舞っています。
今が冬の設定なのは良いとして、なぜ回想シーンも全部冬なのか。
なぜよりによって雪の日ばかり選んでロケしてるんだろうと思ったら、さにあらず。
なんと、真冬の日光江戸村(栃木県日光市470−2−2/山の中です・雪降ります・冬は寒いです)で、たった21日間で全13話の撮影を敢行したのだそうです。
天気を選んだり雪やみ待ちなどしてられる悠長な状況ではなかった、ということですね。
だから登場人物の寒そうな演技が演技じゃなくてマジなんだな。
本気で震えてるし、手をすり合わせてるし、吐く息が白い。
役者さんは全員着物の懐にカイロを入れていたそうです。
逆にスペシャル版の方は忠臣蔵の話だから真冬のはず(赤穂事件が起きたのは旧暦12月14日=新暦1月30日)なのに真夏のロケだったから、汗だくでカーボンヒーターを使ったんだとか。
しかしここまでモロに低予算がわかる、ぶっとんだ設定、にもかかわらずネット上ではまずまずの人気のよう。
私もけっこう好感を持ちました。
☟画像はBS松竹東急公式より。
それはなぜ?は後編に続きます。
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