イラストやさんの描く珍獣❸ハネオツパイ
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❸ハネオツパイ
タイ南部、マレー半島、ボルネオ島及びインドネシアの数島に生息するツパイ。
ツパイはマレー語でリスの意味だがリス(ネズミ目リス科)ではない。
真主齧上目、登木目(ツパイ目)ツパイ属。
原始哺乳類の形態を非常に色濃く残す珍獣。
「恐竜が支配していた太古の時代の哺乳類はネズミ大だった」
「人類の祖先を遡ればネズミ大の原始哺乳類」
という言い方がよくされますが、その頃の原始哺乳類の特徴を今も残す貴重な生き物です。
ハネオツパイはしっぽの先にまるで鳥の羽毛のように見える長い毛が生えているためそう呼ばれます。
英語名はペンテールツパイ(ペン尾ツパイ)。
中世に使われていた羽ペンに見立てた命名です。
画像はWIRED JAPANより。
ツパイ目は昆虫や花の蜜を主食としますが、中でもこのハネオツパイは驚くべき食性を持つことが解明されました。
ハネオツパイはブルタム(学名Eugeissona tristis)というヤシ一種の花の蜜だけを食べます。
ブルタムは温暖なマレーシアの気候により1年365日花を咲かせ、その蜜は花に常住する数種の酵母種により一年365日自然発酵しているそうです。
そのアルコール度数は3.8%で一般的なビールとほぼ同じ。
これは自然発酵でできるアルコールの中では世界最高レベルだそうです。
そしてハネオツパイはこれしか食べない。
しかし酔っぱらって木から落ちることもなく、どうやら人間よりも効率的にアルコールを代謝して酩酊状態にはならないらしいのです。
その仕組みはまだ詳しく解明されていませんが、珍獣度はかなり高いです。
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