昼休み前に3分離籍して電子レンジを使う。

これだけなら「じゃあ一日何度も離席してタバコ吸いに行く喫煙者はどうなるんだよ」と言いたいところです。

改正健康増進法施行以降は、かつてのような「各階の廊下の隅っこが喫煙所」「非常階段全体が喫煙所がわり」などといういい加減さは許されなくなりました。

たいていはビルの1階か建物外に一か所だけしか設置されないため、往復するだけで5分から10分はかかります。

しかし、記事を最後まで読むと

「昨年4月、『男性職員の勤務態度が悪い』との情報が市に寄せられたため、同市水道局が調査…」

とあるので、市民に対する接客態度が悪かったんだなとわかりました。

「市民に対する接客態度が悪い」では懲戒にできないから勤務態度を細かく調べたんでしょう。

いわば別件逮捕。

「市民に対する接客態度が悪い」では懲戒にできない、というのが公務員としてどうよ？という気もしますが…。

長い余談

むかし行った派遣先（都の外郭団体・非営利組織）で似た人（ミドルエイジ・男性）がいました。

営利を追求する必要がない組織なので、雰囲気は非常にぬるま湯です。

派遣に対する要求もぬるかったので、向上心スイッチをオフにしさえすれば居心地は悪くない。
そんな所でした。

その人は正職員だったので、身分は「団体職員」でした。

「5分前行動は、良いことだと学校でも教えますよね」

と言って、昼休憩の準備も帰りの準備も5分前に始める。

確かに就業5分前着席もしていますが、それは他の職員や派遣もだいたい同じです。

その人だけが定時5分前にはPCを落とし終え、上着から、秋冬ならばコート、マフラー、手袋まで装着を始めます。

1分前には帰宅スタンバイ完了です。

そこからは壁掛け時計の秒針と睨めっこして、17時ジャストにはもう席を立っているという用意周到さ。

いわゆる「5時ピタ」さんです。

彼はそのうち、フライング気味に立ち去ろうとして隣の席の女性職員から「10秒前ですよ」と言われたのをきっかけに、電話の「時報サービス」を使い出しました。

Z世代の人はもう知らんかもですが、今も廃止されていないサービスです。

想像がつかない人はスマホで「117番」にかけてみてください。
ただし通話料は有料。

彼はご丁寧にスピーカー（ハンズフリー）ボタンをオンにして、

「ピッ、ピッ、ピッ、ポーーーン！」

という音をあたりじゅうに響かせてご退勤なさるようになりました。

ある日、意を決した新入職員くんが上長に「…注意、しないんですか？」と聞いたところ

上長「以前、別の部署でちょっときつめに注意されたら卒倒（意識を失って倒れること）したという話の持ち主で…」

双極性障害の既往や休職歴などがあるため、刺激できないといった回答でした。

新入職員君が「キャリアにならないとこに就職しちゃったかな…」とぼやくので

私　「〇〇さんも、刑事事件起こして禁錮刑でも喰らわない限り辞めさせられることはないですよ。お給料は悪くないし、一生安泰ですよ」

と励ましてみたら「・・・ヤダ」と返されました。

彼はまだあそこにいるんでしょうか。

5分前男さんは、もう定年退職しているはずです。