HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

いらっしゃいませ。お好きな記事へどうぞ。

   

It is getting hotter.
Be careful not to eat too much cold food.
This year's ducklings will hatch soon.
How many ducklings will we see ?

母語の影響は一人一人の個性よりも強い


私は中国訛りの日本語と韓国訛りの日本語がだいたい聴き分けられます。


更に英語日本語訛りと中国語訛り、そして韓国訛りをだいたい判別できます。


つまり目の前で母国語訛りの日本語または英語を話している東アジア人が、普段何語を母語にしているかがおおよそわかります。


しかし、それを信じてくれない日本人がけっこういます。


彼ら彼女らの言い分は「個性」「人それぞれ」です。


日本語訛りの英語といっても個性があって人それぞれのはずだ。
皆同じなわけがない。


その根拠は「私には区別(聴き分け)できないから」。


「エンドウが聴き分けたつもりになっているのは、単なる思い込みである」と言った人もいます。


いいえ。


私が(それが可能な場合)「失礼ですが中国(韓国)から来られましたか?」と尋ねた場合の適中率はかなり高いです。


と言っても、「人それぞれさん」は全く聴いてくれませんけど。



訛るポイントや訛り方の傾向は、その人が普段話している母語の影響を非常に強く受けます。


例えば、よく言われる「日本人はRとLが区別できない(聴き取り発音共に)。


これは一人一人の個性などではありません。
日本語を母語として暮らす日本人は100%できません。


なぜなら日本語にはR音が存在しないから。


そこでL音で代用するため、R音を使う言語の話者からは「日本人はLもRもいっしょくたにLで発音する」と言われてしまいます。


R音を苦もなく使いこなす日本在住日本人がいたら、ほとんどは相当期間をR音のある言語を母語とする国で暮らした人でしょう。


同様のことが中国語にも韓国語にもあるというだけです。


例えば中国語にはV音がないため、中国語話者はW音で代用するといった具合です。


香港人は英語が達者だと言われますが、昔香港映画を観ていると「ウェーリーグッド」などと聴こえてきたりしました。


すると


「はいウソ!なぜなら私の知り合いの中国人はヴェリィって言えるから!はい論破!」


と言って、同じフロアの派遣全員に「エンドウは嘘つき」とふれて回って下さった派遣の同僚が昔いました。



だから言ってますやん。


中国語を母語にしてる人、って。


同じ中国国籍の中国人でも、例えば小学生とかそれ以前に来日して、小中高校と日本の公立校に通った人は、親とは全く違うネイティヴ日本語を話します。


日常の大部分(親や親戚と話す以外)を日本人と日本語で話していればそうなります。


英語も日本人教師から習った影響でジャパニーズイングリッシュだったりしても不思議ではありません。



私が例に挙げた香港映画もそうです。


中国変換前の香港では、富裕層は子供を小学校から全授業が英語で行われる、授業料のお高いイングリッシュスクール(英文学校)に通わせ、ネイティヴ英語話者の家庭教師を付ける。


そんな金のない庶民の子は中文学校(当時は広東語)に行く、という棲み分けでした。


だから上で例えに出した映画でも、今は成功してそこそこ小金持ちとして振る舞っている登場人物が「ウェーリーグッド」と発するのは、それだけで「彼は庶民の出だ(成金だ)」という暗喩だったりしたのです。




以前にも
「私は間違ったことを言って嘘つきと言われたことより、本当のことを言って嘘つきと言われたことの方が多い」
と書きましたが、その具体例の一つがこれです。


私の知人にも一人、小2くらいで親に連れられ来日、今も国籍は中国のまま日本名(通名)で暮らしている人がいます。


彼女はV音をW音ではなくB音で代替えします。


ベリーグッド
バレンタインデー
バチカン


つまりジャパニーズイングリッシュ。


決して彼女が独自に編み出した世界に一つだけの個性的な発音ではありません。