「クチバシの黄色い若造が❗️」の語源はスズメ目の鳥のヒナ
「嘴の黄色い若造」
昔は時代劇でよく使われた慣用句ですが、最近は時代劇そのものが激減し、さっぱり耳にしなくなりました。
祖母の影響で物心ついた頃にはすでに時代劇を見ていた私としては寂しいことです。
さて、この「クチバシが黄色い」は鳥のヒナからの例えです。
鳥の雛は大きく2種類に分けられます。
生まれた時から毛が生えていて、目も開いていて、歩き(走り)回り(鴨類なら泳ぎ回り)自分で勝手に餌を食べれる子。
ニワトリをはじめとするキジ目キジ科、鴨をはじめとするカモ目カモ科の鳥はこのタイプ。
親は餌のありそうな場所に子供を引率するだけで済みます。
一方丸裸で目も開かずに生まれて、ひたすら大きな口を開けてピーピー鳴いて、親が口の中に餌を突っ込んでやらないといけない子。
スズメ目に含まれる約70科6200種の鳥がこちらのグループです。
現生鳥類は約1万400種なので6割強はスズメ目ですね。
そしてこのスズメ目のヒナは、嘴が黄色いんです。
スズメのヒナ
ツバメのヒナ
カラスのヒナ(カラスもスズメ目です)
文鳥のヒナ
ヒバリのヒナ
この黄色は親の給餌行動を引き起こす鍵となっていると言われます。
(鍵刺激、或いは信号刺激ともいう)
例えばスズメのヒナは孵化してから巣立ちまで約2週間かかるそうです。
親鳥(父母の2羽)は平均4〜5羽の我が子のために、なんと2週間で6千回も
虫を捕ってきては我が子の黄色い口の中に突っ込む、を繰り返すという観察結果があります。
そこから発生したのが「クチバシの黄色い若造」という言葉なんですね。
まだ親から食べさせてもらわないと、自分で餌もとれないくせに❗️
という揶揄が含まれた言葉です。
スズメのヒナは親の懸命な給餌でグングン大きくなり2週間ほどで飛べるようになり
巣から出ますが、まだ自分で餌が取れません。
なので親は木の上や路上で、巣立ちビナに餌を与え続けます。
嘴が黄色い間は。
路上で餌をねだる巣立ちビナ。まだ嘴が黄色い。
(親のクチバシは黒い)
そして巣立ちから10日ほどでヒナの嘴からは黄色みが消えます。
すると親は給餌を止めます。
若雀は本格的に親離れをしなくてはいけません。
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