博物館>「美か束縛か」❷コルセット:聖心女子大学グローバルプラザ
先日公開した記事の続きです。
実はこの展示は「纒足とコルセット」だったのですが、纒足の写真ばかり撮って帰ってしまって💦
なので今回のコルセットの画像は全て外部からの引用です。
コルセットと言っても腰痛の時につける医療器具の方ではありません。
👇これじゃない。
👇こちらです。
画像3点ともヴォーグより。
女性のウエストを極端に細くするために締め付ける矯正下着で、欧州で13世紀から19世紀頃まで使用されました。
特に16世紀頃から19世紀頃にかけて流行します。
また18世紀頃までは上流階級が装着していたのが、19世紀になると労働者階級の女性までが付けるようになりました。
まるで蜂のように極端にウエストを絞り上げます。
まだレントゲン写真のない頃なので絵になりますが、肋骨が変形し、臓器があるべき位置からずれていることがわかります。
尻まで下がった腸。
ホラーです。
しかし、昔の中国男性が纒足の足を見て
「非常に美しくセクシーでイケている。ぜひ妻にしたい」
と本気で考えたのと同様、当時の白人男性もこの不自然なウエストを見て
「最高に美しくセクシーでイケている。ぜひ妻にしたい」
と思ったのです。
人間の美意識など、幼い頃からの刷り込みでどうとでもなるということですね。
骨や臓器の位置が変形するほどですから、呼吸器疾患/内蔵損傷/出生異常or流産、果ては突然死など弊害は山のようにありました。
西洋の古典文学や古い白黒西洋映画では
「ちょっとのことですぐ失神して卒倒する女性」
が出てくることがありますが、頻繁に起きる失神もコルセットの弊害だったようです。
変形した肋骨に横隔膜が締め上げられ、極端に浅い呼吸しかできなくなり、少しの刺激で意識が朦朧となり、失神する。
とんでもないことですが、これも当時は
「失神する女性は儚げで最高に可愛らしい。守ってあげたい」
と思われ、むしろ歓迎されたと言います。
女性もそんな自分に自己満足。
もう勝手にしろとしか・・・😓
コルセット衰退の契機となったのは、ココ・シャネルが考案したシャネルスーツと言われています。
画像はシネマトゥデイより。
これを読んで「纏足もコルセットもない日本は進んでた」と思われましたか❓
しかし世界的には「世界3大奇習は纏足・コルセット・お歯黒」と言われています。
お歯黒は纒足やコルセットほど命に関わる健康の弊害は引き起こさなかったため、今回の聖心GPの展示には取り上げられていませんでしたが、現代感覚で見るとギョッとすることは確かです。
お歯黒はまた別記事で。
👇能面の「お多福」の口の中が黒いのも、実はお歯黒を表しています。
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