よくある話を神話に創り変えるひとたち
「ダイアナは心からチャールズを愛していたのに、チャールズと女王はダイアナを条件に合った『世継を生む道具』としか見ていなかった❗️」
故ダイアナ元妃のファンが好んで使うフレーズです。
しかしこれは私には、下のような創作神話に等しく聞こえます。
「イエス・キリストは天上のロゴスが処女マリアに宿り、お生まれになった」
「お釈迦様は母の脇の下から生れるや否や天と地を指さして『天上天下唯我独尊』とおっしゃった」
と言うのも、元妃の生前に友人たちの証言を集めた本が出ていて、こういった証言があるからです。
条件婚はお互いさま
チャールズはガールフレンドがたくさんいるプレイボーイで、その中にダイアナの実姉もいたのは有名な話です。
ダイアナは「私の方が皇太子妃にふさわしいのに」と言っていたそうです。
チャールズと姉が別れた時、ダイアナは「私は皇太子妃になりたい」とも言ったらしいです。
条件婚活・条件婚だったのは、結局お互い様だったのではありませんか。
もちろん見合や婚活において大半の人は条件婚をします。
男性は女性に若さと純潔を求め、女性は男性に経済力と社会的地位を求める。
これは日本でも英国でも同じです。
なので条件婚自体が悪いとはサラサラ思いません。
ただ、そうやってお互い計算高く条件婚をしていながら、後になって
「女性の方は一途な純愛だったのに、男性の方は条件しか見ておらず、妻を人間扱いしていなかった」
と都合よく改変してしまうのはどうかと思うだけです。
夫の趣味は古臭いと、理解する気すらなかった妻
チャールズはクラシック音楽を聴きポロが好きだそうです。
典型的な英国貴族趣味です。
しかし同じ貴族出身でもダイアナはどちらにも全く関心を示さなかったそうです。
それどころか露骨に嫌っていたようにすら見える写真も残っています。
ポロの試合の観客席で、あからさまにつまらなさそうなふて顔で、あさっての方を見ている写真です。
👇ポロとはこういうスポーツです。
プレイするチャールズ皇太子(当時)の画像はナショナルジオグラフィックと日経より。
さらにダイアナは「ロックの方が好き」「ポロはつまらない。サッカーの方が良い」といった発言もあったようです。
階級社会の英国では、趣味嗜好も階級によって歴然と違っています。
上流階級(アッパークラス)はクラシック音楽やポロやクリケットを好み、ワインをたしなむ。
労働者階級(ワーカークラス)はロックを聴きサッカーに熱狂しビールを好む。
👇日本人には全く馴染みのないクリケット。
プレイするチャールズ皇太子の画像は壁紙comより。
民衆は「上流階級のお姫様なのに、とりすました上流趣味を否定して庶民趣味の方を好む」ダイアナを痛快がり、もてはやしました。
ダイアナも、わがままを言っても民衆がいちいちそれを良い方にばかり解釈してくれるので、夫チャールズも当然そうすると勘違いしていたのではないかと私は思います。
若くて美しく民衆に人気のある自分にはそうされる価値があると考えていたかもしれません。
しかしチャールズはそんな妻に早々と冷め、カミラとよりを戻していきました。
カミラは、ポロの観戦ですら退屈がってそっぽを向くダイアナと違い、自分でもポロをプレイするなど趣味が合っていたそうです。
あなたはもし自分の妻(夫)が自分の趣味をことごとく「古くさい、つまらない」と
否定しても、彼女(彼)が若くて見た目が良いからという理由だけでそれを気にせず、妻(夫)をちやほやし続けられますか?
だからといってダブル不倫(カミラも既に人妻だった)が許される口実にはもちろんなりません。
カミラがチャールズと趣味が合うのも、悪く言いたい人たちは
「貴族男性の一般的趣味に合わせているだけ。趣味すらしたたかに計算高い」
となってしまうようです。
私は、ダイアナのチヤホヤされ慣れた若い女性特有の我儘さを批判する気はありません。
ただ信者さんたちのふりかざす
「ダイアナは愛情深く献身的で、チャールズを心から愛していて一点の非の打ちどころもなかったのに、一方的に裏切られた」
説を検証しているだけです。
この力技の「ダイアナ爆上げ、チャールズ下げ」はダイアナ元妃の急逝によって更に神話に格上げされました。
それでも25年という時の経過の中で、コツコツ続けた地道な環境保護活動や慈善活動によって、本国イギリスではチャールズの評価は上がっていきました。
しかし日本ではそういった彼の善い活動は全く報道されず、「ダイアナ妃を裏切った悪人」のイメージだけが化石化し、本国での評価との乖離が巨大化して今に至っている印象です。
※私はイギリスが好きで現地に友人もいるので現地情報を積極的にチェックしています。
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