局限性恐怖症❷閉所恐怖症(Claustrophobiaクラウストロフォビア)
MRIが怖くて受けられない❓
乳がんの精密検査でMRI(磁気共鳴診断装置)検査を受けた時です。
「閉所恐怖症とかはないですよね❓」
と事前に確認されました。
圧迫感や閉塞感が恐くてMRI検査が受けれない、という人が意外といるようです。
高所恐怖症の次くらいには認知度が高い恐怖症ではないでしょうか。
閉所恐怖症は狭い場所に身を置くことに極度の
「圧迫感・閉塞感」を感じ、動機、息切れ、発汗、パニック症状などが出るものです。
Claustroとはスペイン語で「回廊」や「修道院」を意味する言葉です。
人類の4割が該当するという説もあり、非常に該当者の多い恐怖症です。
👇このお坊ちゃんがそれな設定でした。
@うる星やつら ©高橋留美子
最近は閉所恐怖症の人向けの開放型MRIの開発も進んでいます。
👇従来型。
すっぽりと狭い筒の中に入る。
画像は脳の学校より。
👇開放型。
横が空いている。
画像は人間ドックナビより。
穴居生活者だったホモサピエンスがなぜ❓
ホモサピエンスは石器時代、穴居(けっきょ)生活(自然にできた洞窟の中に暮らす)をしていました。
洞窟内は暗くて狭かったはずです。
その後竪穴式住居などを造るようになりました。
復元住居に入ったことのある方ならご存じでしょう。
竪穴式住居は入口や灯り取り窓が非常に小さいため、中は昼でも暗く、狭い住居です。
👇画僧は吉野ケ里遺跡。
同じように小さな巣穴に身を潜めて暮らす習性を持つリビアヤマネコの子孫・イエネコは今でも狭い所を好みます。
イエネコがどれだけ狭さを愛するかというと・・・
- 箱を置けば餌がなくても中に入る(猫ホイホイ箱型)。
- 箱すらなくても床に敷物を置けばそこに乗る(猫ホイホイ座布団型)。
- 敷物すらなくとも床に囲いマークを描くだけでその中に入る(猫ホイホイ魔法陣型)。
・・・といった習性に表れています。
👇画像はwithnewsより。
なのになぜ一部の人類は恐怖を感じるのでしょうか。
閉所恐怖症の原因
過去に経験したストレスと診断される事が多いようです。
具体的には、例えば
- 暗い押入れに何時間も閉じ込るような体罰を受けた。
- 車内などに置き去りにされて絶望を感じた。
- 落盤事故で洞窟に閉じ込められて死を覚悟した
などです。
治療法としては、まずは高所恐怖症でもご紹介した認知行動療法。
それに系統的脱感作法の併用が有効だった「事例がある」そうです。
系統的脱感作法というのは、狭くて暗いが何も起きない(危険ではない)ことが保証された場所に身を置く練習をして、段階的に慣れていくというものです。
「ほら、何も起こらない」
と自分に言い聞かせていくんですね。
👇「ほらね、怖くない」
©︎宮崎駿
この閉所恐怖症の真逆と感じられる「広場恐怖症」というのも割とよく知られた局限性恐怖症のひとつです。
❸「広場恐怖症」に続く。
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