今日は何の日>1月29日:人口調査記念日
1872(明治5)年に明治政府が日本初の全国戸籍調査を実施した日にちなみます。
前年の1871(明治4)年に制定された戸籍法に基づいて実施され、調査結果は翌1872(明治5)年に編製されました。
江戸時代までは藩ごとに宗門人別改帳が作られていましたが、この調査では役所の戸籍簿を集計することにより日本の総人口を初めて産出しました。
1679万6158人、女1631万4667人、合計3311万825人だったそうです。
編製年の干支「壬申(みずのえさる/じんしん)」から「壬申戸籍(じんしんこせき)」と呼び慣わされています。
1920(大正9)年 に第1回国勢調査が実施されるまでの約50年間は日本の総人口はこの方式(役所の戸籍簿の集計)により求められていました。
さて、皆さんは「じんしんこせき」という響きに何か記憶が呼び起こされませんか?
部落差別(同和問題)で出てくる単語です。
というのもこの壬申戸籍には、身分や職業まで記載されたからです。
身分は皇族・華族・士族(上級武士)・卒族(下級武士)・地士・郷士のみ・旧神官・僧・尼・平民などと細分されていました。
被差別部落民は賎民解放令に基づき平民に編入されたはずでしたが、一部地域の戸籍には新平民・元穢多・元非人などと記載される事態が起きました。
つまりひと目で被差別部落とわかってしまうのです。
また1882年(明治15年)までの10年間は、使用人や家来、さらには妾(お妾さん/二号さん)までも戸籍に入れる決まりでした。
また宗教宗派まで記載されていました。
例えば私の実家の場合であれば「浄土真宗本願寺派」と戸籍に書かれてしまうのです。
この壬申戸籍を差別目的に悪用した事件がきっかけとなり、1968(昭和43)年に閲覧禁止となりました。
が、閲覧禁止文書扱いのまま、それはまだこの世に存在しています。
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