HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

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It is getting hotter.
Be careful not to eat too much cold food.
This year's ducklings will hatch soon.
How many ducklings will we see ?

古典落語ご紹介>①「死ぬなら今」:閻魔大王も袖の下に弱い?


私が自分の言葉で要約したあらすじのため、落語家の方々が語る言葉とは違うことを予めご了承ください。

また処どころに解説(もちろん落語家は言わない部分)も入れています。



ドケチの吝兵衛(けちべえ)が臨終の床に息子を呼んだ。


「俺が死んだら、棺桶の中には六文銭※の代わりに小判300両を入れてくれ」


※六文銭とは棺に納める副葬品のひとつで、三途の川の渡し賃と言われます。現在の貨幣価値に換算すると200~300円です。


息子が理由を尋ねると吝兵衛が答えます。


「俺はアコギな商売で財を成したから、地獄に落ちるだろう。しかし300両もあれば、金の力で極楽に行けるんじゃないかと思う」


息子が承知すると、まもなく吝兵衛は息を引き取りました。


納棺の時、正直に300両を入れようとする息子を親戚一同が止めます。


「もったいないじゃないか!偽物で十分だ」


息子を説き伏せて、芝居の小道具の偽金300枚を入れてしまいます。


さて閻魔大王の前に引き立てられた吝兵衛。
怖い顔をした閻魔大王とその側近たちに300両を差し出し、無事に極楽行きをゲットします。


閻魔大王御一行様は臨時収入に大喜び。
パーッと遊びに出かけます。



ほどなくあちこちで偽金が使われたことが明らかになり、極楽の役人が閻魔大王御一行を逮捕にやってきます。


閻魔大王御一行全員が牢屋に入れられ、地獄は無人になってしまいます。


だから、死ぬなら今。



古い上方落語※です。


※古典落語には大別して大阪・京都発祥の上方落語と、江戸発祥の江戸落語があります。

  • 江戸落語:趣味人のものとされ人情噺が多い。
  • 上方落語:庶民向けの陽気で荒唐無稽な話が多い。


目の前の人間のやって来たことが全てお見通しのはずの閻魔大王が、偽金は見破れず、簡単に金に目がくらむところが面白いですね。


役人が袖の下に弱いのは、今も昔も、日本もフィリピンも同じなようで。
フィリピンの方はもはや笑い話では済まないレベルですが。