古典落語ご紹介>②「死神」:まるでデスノートのようなサイコホラー
私が自分の言葉で要約したあらすじのため、落語家の方々が語る言葉とは違うことを予めご了承ください。
また処どころに解説(もちろん落語家は言わない部分)も入れています。
金がなく、首をつって死のうかとまで思いつめた男の前に死神が現れる。
死神は「お前を死神が見えるようにしてやるから、医者を始めろ」と言う。
病人が寝ている枕元に死神が見えたら、それはもう助からない。
正直にそう言え。
病人の足元に死神が見えたら、それはまだ助かる。
手を二回叩いて死神を追い払えば、病人は治る。
男が言われた通りに医者の看板を出すと、呼ばれる家の病人はラッキーなことに足元に死神がいる者ばかり。
それらしい呪文を唱えながら手を打って死神を追い払うと、病人はたちまち回復。
男は名医と評判になり、大金持ちになる。
男がいい気になって豪遊し、金を使い果たすと、今度は枕元に死神のいる家にばかり呼ばれるようになる。
男が困っていると江戸でも指折りの金持ちの家からお呼びがかかる。
しかしそこでも死神は病人の枕元にいる。
「申し訳ないが、助かりません」
「そこを何とか」
食い下がる家族は男の前に一万両を積み上げる。
「これで助けてください」
金に目がくらんだ男は一計を案じる。
死神がウトウトし出したのを見計らって、病人の布団をクルリと180度回転させてしまう。
枕元にいたはずの死神の前に、クルリと病人の足元が来たところですかさず手を打つと、死神は消えた。
1万両を手に入れて大喜びの男の前に、最初の死神が再び現れる。
「お前、とんでもないことをしたな」
死神に連れられて「人間の寿命のろうそくが灯る穴ぐら」へ連れて行かれる男。
男のろうそくは燃え尽きる寸前だった。
「助かるはずのない病人を助けたから、お前の寿命のろうそくと病人のろうそくが入れ替わってしまった。お前はもうすぐ死ぬ」
「嫌だ、いやだ、助けてくれ!」
必死に頼む男に死神が言う。
「なら、新しいろうそくを継ぎ足せ」
しかし男は手が震えてうまく継ぐことができない。
「どうした、早くしろよ」
「ああーーーーーっ!!」
最後の男の断末魔でゾクリとします。
まるで「デスノート」を読んでいるようなオチ。
と言いますか、「デスノート」がこれを参考にしたのでは?と思うくらい秀逸な筋書きです。
驚いたのは、いらすとやさんのイラストにまさにこれのイラストがあったことです。
「いらすとや 死神」で出て来るイラストは下の4種。
4頭身が「死神のイラスト」2頭身が「死神のイラスト(落語)」上半身だけのが「いろいろなハロウィンのシルエット素材」というタイトルです。
そして4つ目が「死神のイラスト(落語)」。
まさにこの落語を題材にしたものです。
いらすとやさんったら本当にマニアック。
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