用意周到な割に筋書きが非現実的過ぎる想定問答集:江戸川区強盗殺人事件
尾本容疑者は逮捕前の任意の事情聴取に対し、
▼「1月下旬に学校から駅に向かう途中、(山岸さんから)『荷物を運ぶのを手伝ってほしい』と言われ、土足のまま3階まで運んだ」
▼「家の中で顔をぶつけて鼻血を出した。(山岸さんから)血の付いたマスクは捨てておくと言われた」と説明していました。
その後の捜査関係者への取材で、尾本容疑者の関係先から、こうした警視庁の事情聴取に関する“想定問答”のメモが見つかっていたことがわかりました。
(上の記事より抜粋)
想定問答集を作っておくとはいかにも中学校教師っぽいですね。
しかし残念ながら全ての設定が非現実的というか稚拙です。
「他人の家に中にあなたの靴跡が見つかりました。警察が納得する言い訳を考えましょう」
「他人の家の中にあなたの血痕付きのマスクが見つかりました。(以下同)」
というお題で考えたと思います。
実際に警察に話してるということは自分では完璧な出来だと思ってるはずです。
しかしこんなので納得するのはせいぜい中学生まで。
中学生だって、利発なお子さんならおかしいと気付きます。
- 日本人は通りすがりの初対面の他人に気安く荷物運びなど頼まない。
- ましてや何処の馬の骨かわからない人間を家に招き入れない。
- ましてや自宅に土足で上がれなんて絶対に言わない。
- 赤の他人の血液(感染症の根源)の付着した物など預からない。
- ましてやコロナの時期の赤の他人のマスクなど預からない。
ストーリー構成・エピソード共に現実味がない。
「食パン咥えた美人女子高生が『遅刻遅刻』と疾走してきて、勝手に俺にぶつかってきて勝手に俺に恋をする」
くらい非現実的でひとりよがりで陳腐で中二的です。
この教師は特別支援学級の担任だったようなので、自分の担任の生徒ならこのレベルの作り話でもやすやすと騙せてきたのでしょう。
だから警察もこれで騙せると思った。
人は成功体験の積み重ねが大事と言われます。
どんな成功体験でも構わないから、子どもにはひとつでも多くの成功体験を貪欲にさせるべき!とおっしゃる親御さんもいます。
しかしこの容疑者などは、本人のためにならないズレた成功体験の積み重ねで間違った自信を持っていた残念な人、のように私には感じられます。
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