ダルメシアンの話のオマケ付き)自転車のベルは道路交通法で装着が義務付けられた「警音器」です<後編>
前編と中編はこちらです。
警音器吹鳴義務違反と警音器使用制限違反
自転車にも装着が義務付けられている(一部、ない自治体もあるようです)「警音器」これを鳴らさなければならない場面は、ズバリこれです。
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「警笛鳴らせ」や「警笛区間」の道路標識がある時
これらの道路標識のある場所で鳴らさなかった場合は警音器吹鳴義務違反(道路交通法第120条第1項第8号)。
5万円以下の罰金です。
逆にこれ以外の場所でむやみに(危険を防止するためにやむを得ない場合以外で)鳴らすと
警音器使用制限違反(道路交通法第121条第1項第6号)。
2万円以下の罰金です。
つまり歩道を自分優先で通りたいためにベルを鳴らしまくる「チリンチリン走行自転車」は本来1回につき2万円以下の罰金が発生しています。
警察が「今のところは」本気で取り締まってないために、事実上野放し状態というだけです。
ただし以前は同じように野放しだった車両の「横断歩道での一時停止違反」は、近年警察が本腰を入れて取り締まるようになっています。
以前は野放しだったために停まる習慣を持たず
「自分ひとりが停まると後ろから追突される危険があった」
「歩行者が渡りますという意思表示を示さなかった」
等々の言い訳で抵抗を試みる人も少なくないようですが、粛々と反則切符が切られています。
近年はスマホげ原因の脇見走行の横行で、自転車との衝突による歩行者の重傷事故・死亡事故なども起きています。
そのため警察による自転車の違反走行取り締りも強化され始めています。
私もごくたまに買い物のために自転車に乗りますが、安全運転を心がけたいと思います。
さて、ここから先は余談です。
ダルメシアン(犬)は馬車の警護役兼警音器だった
白地に黒斑が特徴的なダルメシアンは、欧州で「馬車伴走犬(先導犬)」として改良された犬種です。
もともとは狩猟犬だったダルメシアンですが、イギリスとフランスでは17世紀頃から王侯貴族の乗る馬車に伴走させるようになりました。
持久力に優れタフなことと、特有の甲高く大きな鳴き声が遠くまでよく通ること、がダルメシアンが選ばれた理由です。
ダルメシアンの鳴き声が数百m先に「身分の高い方の馬車がやって来る」ことを知らせる先触れになり、邪魔なものをのかせることができます。
また当時は少なくなかった山賊や追剥に襲われた場合に護衛犬として働きます。
19世紀後半から20世紀初めにかけては消防車も馬車でした。
そのためダルメシアンは「消防車伴走犬」としても採用されました。
そのうち「消防署のマスコット」になり、伴走ではなく馬車に乗せられて現場に出動した時代もあったようです。
この「消防署のマスコット=ダルメシアン」文化はアメリカにも輸出されたもようです。
このバドワイザーのCM(米)では2頭のダルメシアン兄弟が別々の消防署にもらわれて看板犬になり、2年後にすれ違うというお話です。
片方は消防車(エンジン車)、片方は消防馬車に、それぞれ乗せられています。
Budweiser - Separated at Birth
ディズニーアニメ「101匹わんちゃん」(1961年/昭和36年)のヒットにより、日本でも一時ダルメシアンブームが起きたようです。
しかしすぐに鎮静化したもようです。
理由は
❶活発過ぎる・タフすぎる・大人しくない。長時間の散歩が必要。(基本的に1日2時間)。
❷鳴き声がうるさい。よく鳴く。
❸体力的にタフなわりに暑さにも寒さにも弱い。
何せつい100年弱前までは「よく鳴くダルメシアンこそが良いダルメシアン」だったわけですから、そういう犬が選択交配されてきた結果です。
❸に関しては例えば英国・ロンドンは夏は30度の日が数日あるかないかという代わりに冬は暖流の影響でほとんど雪が降りません。
つまり年間の気温変化が極めて少ない土地に適応してきた歴史があるので、夏と冬の振り幅の大きい日本の気候にはそもそも合わないのです。
現在ではダルメシアンは「日本人が飼いにくいと思う犬種第8位」なんだそうです。
全くの余談でした。
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