HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

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It is getting hotter.
Be careful not to eat too much cold food.
This year's ducklings will hatch soon.
How many ducklings will we see ?

りんご果汁が甘味料になる理由はソルビトールC6H14O6


昨日のこの記事で
「アヲハタの砂糖不使用ジャムには代替え甘味料としてリンゴ果汁が使われている」
ことを書きました。



ではなぜリンゴ果汁が甘味料になるんでしょうか??


この「リンゴ果汁を煮詰めて濾しただけの天然甘味料=アップルハニー」は、市販もされています。


下はその一例です。



りんごの甘さ元は、リンゴの歯で光合成により合成されるソルビトール(化学式:C6H14O6)という成分です。


バラ科ナナカマド属 (学名:Sorbus) から発見されたため、ソルビトールと命名されました。


ナナカマドの花画像は農林水産省林野庁、実画像は松本市の各公式よりお借りしました。

 


バラ科の植物は、光合成産物のデンプンを篩管を通じて実に供給する時に、デンプンの加水分解で生じたグルコースをソルビトールに変換してから送り出します。


果実内に運ばれたソルビトールは、果実の中で果糖やブドウ糖に変換されます。
果糖とブドウ糖が結合してショ糖も生成されます。
植物の代謝です。


そしてそれらの糖類は果肉内に蓄積されていきます。


画像は物産フードサイエンスよりお借りしました。



これがバラ科植物の実(リンゴ、梨、梅、桃、スモモ、あんず、サクランボ、ビワ、プルーン、イチゴなど)の甘さの理由です。


※意外かもしれませんがイチゴもバラ科です。


そう、私たちが「くだもの/フルーツ」と聴いて思い浮かべるもののうち、おそらく半数以上はバラ科の果実。


その甘さゆえ、人間を含む果実食の生き物に大人気のバラ科植物。
その人気の元(=甘味の元)がソルビトールなのです。


ちなみに、ナンテンの実にも似たナナカマドの実は、人間の口には甘味が足りないので食用にされていません。


でも果実食の小鳥には大人気です。


特に果実食性鳥( fruit-eating bird)として有名なヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、オナガなどは、都会の公園などでもナナカマドに群がっている様子が見られます。


画像は天気jpよりお借りしました。
これはキレンジャクですね。


さて一部のリンゴの品種は、芯の部分に「リンゴ蜜(アップルハニー)」と呼ばれる半透明の部分を持ちます。


画像は青森県りんご対策協議会よりお借りしました。



あれは過剰供給されたソルビトールです。


野生種のリンゴでは果実が成熟するとソルビトールの供給は止まる、いたって合理的な仕組みになっています。


しかし品種改良種の一部に、成熟してもソルビトールの供給が止まらず、ああいう形で過剰蓄積されるものが生まれました。


蜜が入りやすい品種と入らない品種は上の青森県りんご対策協議会の画像通りです。


※該当品種の全部の実に入るわけではないので「入りやすい」という表現になっています。


この半透明に黄色い「リンゴの蜜」部分は、特に甘い蜜の味がするわけではありません。
しかしリンゴの果汁を煮詰めると甘味が凝縮され、甘味料としてのアップルハニーが出来ます。


アップルハニーの甘味は砂糖の6割ほどです。


だから砂糖の代わりにリンゴ果汁を使うアヲハタのイチゴジャムは、砂糖を使った他のジャムより甘味が少なく酸味が強いんですね。


口に入れた時に清涼感があります。


これを食べ慣れた口で久しぶりに他社の砂糖使用ジャム(世間のレビューは決して悪くない)を食べた時に、最初に


「砂糖味だ!!」


としか感じなかったくらいに。


※個人の感想です。甘党の方とは根本的に感じ方が違うと思います。



ソルビトールは「ソルビット」という名前で食品添加物にも利用されています。
甘味だけでなく保水性質も併せ持つため、医療品や化粧品にも広く使われています。


ただし「ソルビット」の主な原料は、じゃがいもやとうもろこしのでん粉を加水分解したブドウ糖です。


代替甘味料として期待する場合は、原料名に「ソルビトール(またはソルビット)」とあるものより「リンゴ濃縮果汁」とあるものが良いかと思います。