病気/怪我>病気>乳がん>予防切除を巡る医師との攻防
乳がんサバイバーをカミングアウトしているので、同じ境遇の方や現在進行形でがん治療中の方にもお読みいただいているようです。
なので今日は少し自分の乳がん手術体験の話を書こうと思います。
私は東京のとある超有名大病院で手術を受けました。
乳がんの手術実績は年間1,200件超だそうです。つまり月間100人。一日33人。
そんなにたくさん乳がん患者さんがいる中でも、私の希望要望は、本人は熟考の上真面目に言ってるにもかかわらず、複数の医師に「❓❓❓」という顔をされました。
もう片方も予防切除できませんか?
私の場合、健診のエコー検査で右乳房に3ミリほどの影が見つかり、精密検査先として超有名大病院を紹介されました。
普通の定期健康診断@新宿の健診専門病院
➡翌日「ちょっと来いやあ!」と呼び出し📞
➡その日のうちに駆け付け、要再検査を通告される
➡希望の病院がないだと?なら当院懇意のとこに予約ぶっこんだらあ!と言われておまかせ
➡超有名病院の翌日予約にねじ込まれる
➡定期健診の翌々日にはもう超有名病院受診
という、すんばらしいスピード感でした。
(この有能な健診専門病院の名前を知りたい方はお問い合わせください)
精密検査はまず(日本政府推しの)マンモグラフィ検査でしたが、エコーで既に発見済みの影(上記の3mmのやつ)すら映らないというポンコツぶり。
その際医師から衝撃発言があったことは既に書きました。
ぜひご一読ください。この記事です☟
結局エコーで再検査の結果、新たに2個目の影(1ミリ大)が見つかりました。
医師「生検までは良性/悪性の最終判断はできませんが、2つとも悪性の場合、右は全摘出になります」
私「はい」
医師「3ミリ大と1ミリ大の極めて小さな腫瘍がなぜ部分切除できないのか?と思われるでしょうが、がんは念のため周囲を大きく切除するからです。一つの腫瘍につ乳房の1/4を切ります」
イメージ図
私「はい」
医師「腫瘍が複数あっても、それが90度の範囲に収まっていれば部分切除可能なんですが、エンドウさん(仮名)の場合は2つの腫瘍が120度離れているため、計180度切る必要があり、そうなると原型は残せず・・・」
私「別に、腫瘍1個だけの場合でも、希望すれば全摘可能ですよね?」
医師「え❓・・・あ、、、はい❓❓❓」
私「なら、再発のおそれのある左も一緒に、両方全摘を希望します」
医師「ええ⁉️⁉️⁉️」
私「私は、転移・再発予防のための抗がん剤治療と放射線治療が嫌なんです。両方全摘すれば、抗がん剤や放射線はやらずに済みますよね?」
医師「そりゃあ、そうですけど、、、(絶句)」
医師の説明を要約すると
- アメリカではA・ジョリーが予防切除をやって話題になったが(2013年)日本ではやってない
- どうしてもやるなら完全自費で、たぶん100~150万くらいかかる
- 抗がん剤も放射線もみんながやってることで、いたって普通の治療だ
- 普通は、医師が全摘を宣言しても「なんとか部分切除(乳房温存)にできないものか」と言われがちなのに、、、
アンジェリーナ・ジョリーは、左右予防切除の後、再建手術(要は豊胸)で見た目は元に戻しました。
ということでしたが、私は自分が納得いかないことに対し
「みんなやってるからあんたもやれ」
「こんなの普通だからあんたもやれ」
と言われるのが何よりゴキより嫌いなので、反論しました。
- がん患者の闘病記では、外科手術よりも術後の抗がん剤・放射線治療の方が辛いとみんなが言ってる。
- 具体的には、抗がん剤は頭髪が抜けるし、放射線も副作用が多すぎるとみんなが言ってる。
- 高額療養費の適用が必ず受けられる価格設定になっている外科手術と違い、抗がん剤/放射線治療は1ヶ月当たりの費用が高額療養費適用基準にわずかに満たないことが多く、結局費用が高くついて困ったとみんなが言ってる。
- 内臓と違い、乳腺(乳房)は全摘出したところで生きるのに支障はないはず。
- 生きるのに支障のないものを温存して、その代わりに何年も転移再発に怯えるなんて本末転倒。私はごめんです。
- だから、全摘希望ったら全摘希望‼️
抗がん剤の副作用のひとつ、脱毛
私は「みんなが言ってる(やってる)から〜」という思考停止ロジックを嫌悪しており、
普段は自分から使うことなど決してありませんが、ここでは
「意趣返し」に意図的に連発してみました。
結局、その場は「もう少し精密検査が進んでから改めてご相談」と、極めて日本的に言葉を濁されて終了となりました。
その後MRI(磁気共鳴画像法)を受けたら、まさかの左にも影(1ミリ大)が見つかり、針生検(組織診・死ぬほど痛い。手術本番より痛い)で3つとも悪性との診断が下りました。
私は改めて両乳房全摘手術を希望し、叶いました。
しかしいよいよ手術という前に、今度は乳房再建する/しないで別医師ともめることになります。
※この病院は外科手術直前に執刀医が決まるまではその日の外来担当医にシャッフルで当たるため毎回医師が違いました。
次の乳房再建でもめた話(仮題)に続きます。
➡To be continued.
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