今日は何の日>12月27日:ピーターパンの日とピーターパン症候群
1904(明治37)年にイギリス・スコットランドの劇作家ジェームス・マシュー・バリー准男爵の戯曲「ピーター・パン」がロンドンで初上演された日にちなむ。
<ピーター・パン>
ロンドンのケンジントン公園で乳母車から落ち、ベビーシッターが見つけ出せず迷子になった人間の子ども。
異世界・ネヴァー・ネヴァー・ランド(ネバーランド)に移り住み、歳をとらなくなった永遠の少年。
妖精・ティンカーベルと共に冒険の日々を送る。
ハイドパークに隣接するケンジントン公園に今も建つピーター・パンの像と、アーサー・ラッカムによる本の挿絵。
1983年にはアメリカの心理学者ダン・カイリーが「年齢的には成人だが精神的に成熟できず現実逃避する男性」を指す「ピーター・パン・シンドローム(ピーターパン症候群)」という観念を提唱。
日本でも一時この言葉が流行しました。
ダン・カイリーはこれをパーソナリティ障害の一種とみなしましたが、心理学・精神医学の正式な用語ではありません。
カイリーは著書の中でピーターパン症候群を「大人になる(責任を持つ)ことを忌避する男性」と定義しました。
彼が解析した、この症状があらわれている人物がほぼ全員男性だったからというのがその理由です。
これでは性差別にあたるので、現在では一般的に「大人になる(責任を持つ)ことを忌避する男女」と定義されています。
心理学・精神医学用語を当てはめれば「自己愛性パーソナリティ障害」が近いのでしょうか。
カイリーは、翌1984年には「ピーターパン症候群」と対をなす「ウェンディ・ジレンマ」という観念も発表しました。
これは「自分のことは二の次にして夫や子どもに尽くすことを生き甲斐とし、そのような自分にしか価値を見出せない女性」のことです。
一見しっかり者に見えてその実、他人から全面的に頼られ称賛されない限り自分に自信が持てない。
頼られ、称賛されるために夫や子どものご機嫌を取り、過保護に扱い、それが彼らの精神的自立を阻害してしまう。
つまり「ピーターパン症候群」とは共依存関係となります。
☟左からティンカーベル(妖精)/ピーターパン/ウェンディ。
ピーター・パンのモデルはバリーの友人アーサー・デイヴィーズとシルビア夫人の長男、ジョージ・デイヴィーズだと言われています。
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