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文学>詩>「ハイ・フライト」日本で無名・欧米で有名な詩

昨日ご紹介したこの映画の中に、チャレジャー号爆発事件の話題が出てきました。


<スペースシャトルチャレジャー号爆発事件>
1986年1月28日


アメリカ合衆国のスペースシャトルチャレンジャー号(打上10回目)が、
打ち上げから73秒後に分解し、7名の乗組員が全員死亡した事故。


ハワイ出身の日系3世、エリソン・オニヅカ(日本名:鬼塚 承次)宇宙飛行士も殉職。


  


そして次の詩が、映画中で、チャレンジャー号に捧げられた実際の弔辞であるとして紹介されました。
(日本語訳は、映画字幕に忠実)


Up, up the long, delirious burning blue,
I’ve topped the wind-swept heights with easy grace.


高く、高く、目の覚めるような青を抜け、
吹きさらしの頂(いただき)を、優雅に飛ぶ。



・・・こんな弔辞だったっけ??と思い、調べてみました。


時の大統領、ドナルド・レーガン氏による弔辞の、最後の部分に、
確かにこの詩が引用されていました。


ただし、実際の引用部分は上と違います。


We will never forget them, nor the last time we saw them, this morning, as they prepared for their journey and waved goodbye and "slipped the surly bonds of earth" to "touch the face of God."


私たちが彼らのことを忘れることは決してないでしょうし、今朝、彼らが旅の準備に取り組み、別れの挨拶として手を振り、「地上の束縛から離れ、神の御顔に触れんとする」最後に見た彼らの姿を忘れることは決してないでしょう。


slipped the surly bonds of earthhaは、この詩、ハイ・フライトHigh Flightの出だしの一節、
touch the face of God.は最後の一節です。


ハイ・フライトで検索すると、ヒットする95%以上は英文サイトでした。


<詩の全文>



私は地球の束縛から解き放たれ
銀翼にのって笑いながら空を舞った
(中略)
無我夢中で、燃える青のなかを上へ、上へと進み
吹きさらしの高みまでいともたやすく到達した
(中略)
私は手を伸ばし、神の御顔に手を触れた



第二次世界大戦時のカナダ空軍パイロット、
ジョン・ギレスピー・マギー・ジュニア(上の写真)の作です。


欧米では職業軍人パイロットの「聖歌」とまで言われ、米空軍隊員は暗唱できて当たり前とか。
パイロットの墓碑銘にも好んで刻まれるそうです。


アポロ11号で人類初の月面着陸に成功した、故ニール・アームストロング宇宙飛行士(2012年8月没・享年82歳)の葬儀(同年9月)の弔辞にも、この詩が引用されたそうです。


アポロ11号のクルーは3名。
左からN・アームストロング(船長)、M・コリンズ、B・オルドリン。


"As you soar through the heavens beyond where even eagles dare not go,
  you can now - finally - put out your hand and touch the face of God." 


鷲さえもあえて行こうとしない高さの大空を舞い、あなたは手を伸ばし神の御顔に触れ
ようやく安らかな深い眠りにつくことでしょう。



欧米(特に米)ではここまで好まれているのに、日本ではほぼ無名。


そんな詩は他にもまだまだありそうですね。


映画「ライフ」の字幕翻訳者(調べましたが名前が出てこない)によるこの部分の翻訳は、日本語としてとても良いですね。


気に入りました。


高く、高く、目の覚めるような青を抜け、
吹きさらしの頂(いただき)を、優雅に飛ぶ。




民間企業による初の有人宇宙飛行船、スペースX(エックス)