今日は何の日>クリスマスイブ:①トナカイの話❶アイヌ語❷メスが角を持つ理由
シカ科オジロジカ亜科トナカイ属トナカイ。
和名トナカイはの語源はアイヌ語「トゥナカイ」(tunakay)。
江戸時代に樺太(現サハリン)を探検した間宮林蔵(樺太が島であることを確認。
間宮海峡に名を残す)により本土に伝えられ、そのまま日本語化したそうです。
トナカイはオスとメスでツノの生える時期・抜ける時期のサイクルが違うことを
別記事に書きました。
そもそも鹿の角は通常オスだけに生えます。
実はシカ科の動物でメスにも角が生えるのはトナカイだけです。
鹿の角は、基本的には繁殖時におけるオスの力比べ用というか、要は喧嘩用なのです。
鹿のオスはメスにアピールするために他の雄と争うパフォーマンスをします。
メスはそれを見物しているだけなので角は要りません。
繁殖期が終わると用済みになった角は抜け落ち、しばらくすると次の繁殖期に備えてまた生えるを繰り返します。
ニホンジカの場合は秋が繁殖期のため、角は早春に抜け落ちて晩春に新たに生え始めます。
トナカイは夏が繁殖期なので、オスのトナカイの角は冬に抜け落ち春にまた生え始めます。
一方シカ科の中で唯一角が生えるメスのトナカイは、冬にツノが生え始め初夏に抜け落ちます。
これはメスにツノが生える目的が雄とは全く違うためと言われます。
トナカイのメスの妊娠期間は約7ヶ月です。
夏に繁殖したメスは、妊婦の状態で北極圏(トナカイの生息域)の厳しい冬を越し、春に出産しなくてはいけません。
まだ独り立ちしきれてない前年仔を連れているメスもいます。
そのため、冬場は凍りついた大地を角でかち割ってでも、お腹の子や前年仔のために餌を確保しなくてはいけません。
そのための角なのです。
ツルハシを持たされた母ちゃんのようなものです。
母は強し。
見渡す限り雪と氷に覆われ、角で大地をかち割って掘り起こさないと食べるものがない。
この状態はオスにとっても同じと思われます。
しかし自然はメスにだけツルハシを与えました。
理不尽と思われる男性(人間の)もいらっしゃるでしょうが、優遇されているのは
メスではなく、子どもです。
この子は長野県須坂市動物園で今年の6月に人工繁殖で生まれた
メスの「しなの」ちゃんです。
出典元:須坂市動物園|須坂市観光協会|歴史と自然の香る街 信州すざか
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