マンガ書評>㉚「怨霊奥様」:奥様は、なんと怨霊だったのです
ナンバリング&再公開です。
初公開:2022/06/24 14:00
異類婚姻譚(いるいこんいんたん)
※譚(たん)=物語のこと。
人間が、神を含む種類の違う存在と結婚する説話・伝承の総称。
世界的に分布し、日本にも多く見られる説話類型である。
<日本の例>
- 鶴の恩返し :人間(男)と鶴(女)
- 雪女 :人間(男)と妖怪(女)
- 南総里見八犬伝:人間(女)と犬(男)
- うる星やつら :地球人(男)と宇宙人(女)
- 宇宙戦艦ヤマト:地球人(男)と宇宙人(女)
<外国の例>
- チンギス・ハーン(モンゴル):「父親は狼」の伝承がある
- ヌルハチ(清朝初代皇帝) :「父親はカワウソ」の伝承がある
- 美女と野獣(仏) :人間(女)と野獣(男)
- ピグマリオン(希):人間(男)と人形(女)
- 奥様は魔女(米) :人間(男)と魔女(女)
※希=ギリシャのことです。
※西洋では「魔法で別の姿に変えられているが実は人間と、人間」というパターンが多く、東洋では「強い(または賢い)動物と人間」が多いそうです。
怨霊奥様
中国には幽霊との婚姻譚が複数存在するそうですが、日本には入ってきてないそうです。
…しかしここに爆誕。
タイトル:怨霊奥様
著者 :若狭たけし
連載誌 :BookLive!の電子コミックレーベル「NINO」
出版社 :フレックスコミックス(紙媒体のみここが出版)
既刊 :10巻(完結)
ブックオフで❶〜❽巻セットがセット割引になっていたので購入してみました。
「先日、僕は最愛の人と結婚した。
料理上手で優しい麗美さんは…この世に未練を残した怨霊だ」
完結巻・第10巻は2023/2/10に発売されました。
主人公:二ノ瀬 陸(にのせ りく)
32歳。
平凡オブ平凡オブ平凡なサラリーマン。
妻以外は。
二ノ瀬 麗美(にのせ れみ)
享年不詳没年不詳。
青山霊園では怨念が強いことで有名だった怨霊。
生前の記憶はほぼないため、麗美(れみ)も生前の本名ではない。
青山霊園時代に怨美(うらみ)と呼ばれていたのを、陸(夫)があんまりだからと一文字変えて麗美(うらみ➡︎れみ)と命名したもの。
👆この状態で「彼女の顔がたまらなく可愛い」と一目惚れし、秒速でプロポーズ。
凡人には理解不能な恋は盲目の大暴走っぷりである。
あと「結婚した」とか「夫婦」とか「新婚」とか「奥さん」とか「あなた」とか言ってますけど、戸籍は死亡抹消されてますからね。
事実婚です💧
陸の母(未亡人)
怨霊から「お義母様」と呼ばれてビビりまくる。
そりゃそうよね~。
…と同情してたら割とすぐ慣れちゃって、なぜか麗美の先輩幽霊の讐(しゅう)と同棲を始めてしまう二ノ瀬母。
もう何が何だか。
評価
🌟🌟🌟🌟(5点中3.6点)
着想はとても面白いです。
絵も今どきの萌え絵ではないので私は好き。
完結巻の表紙は怖くない。
…ただそれでもブーケはやっぱり、菊。
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