病気/怪我>病気>乳がん>切除後再建を巡る医師との攻防
これらの記事の続きです
その病院では、全検査が終わって執刀医(担当医)が決まるまでは、その日の外来担当医にランダムに当たるシステムでした。
その女医に当たったのは、担当医が決まる直前でした。
既に両方全摘というのも正式に決まった後でした。
女医「エンドウミリエ(仮名)さんですね。両方全摘されるんですね」
私「はい、そうです」
女医「術後は、再建されるんですよね?」(当然やりますよね!的な上から口調で)
私「は?しませんが」
女医「はあ?何で??」
私「やりたくないからです」
ここで女医の口調が軽く説教モードに切り替わりました。
女医の主張をまとめるとこんな感じです。
- 乳房再建手術は、2012年までは保険適用外だった。(当時は2016年)
- 自費だと片方で100万~した。
- それでも多くの患者が、自費をいとわず再建してきた。
- 乳房再建手術の保険適用は、乳がん患者の悲願だった。
- 2013年の保険適用は、エポックメイキングとさえ言われた。
私「はあ。それはよかったですねえ」
と言いつつも、私にはこの女医の裏の意図がわかってきました。
乳がん啓もう活動の印・ピンクリボン
私はHSPの特性として、興味を持ったことは調べて調べて調べ倒さないと気が済みません。
自分がかかった病気のことも鬼のように調べつくします。
その中で、このような情報もすでに調べていました。
かつて、乳がん手術を行う病院のステータスのひとつだったのは「乳房温存率」だが、乳房再建の保険適用開始以来、むしろ「乳房再建率」の方が注目されてきている。
前記事で医師(こちらは男性)に言われたと書いた通り、乳がん患者さんの多数派は
「全摘は全力で避けてほしい。なんとか部分切除(乳房温存)ですませてほしい」
と希望する・・・らしいんですね。
で、2000年代までは「うちはこれだけの割合で、全摘を回避して温存で済ませました!」というのが、病院のウリになっていた。
それが2010年代は「うちは、全摘になっても心配ご無用。これだけの割合で再建してあげてます!」というのがウリに変わってきている。
つまり病院としては、全摘の患者には「再建を希望します」と言ってほしい。
病院の「再建率」を上げるために。
私が再建をしたくない理由もまとめました。
- 乳がんは乳腺に発生する。乳腺は皮膚と大胸筋の間にあるため、乳腺を全摘しても大胸筋は一切切らない。筋肉を切らない手術は体へのダメージが小さく、傷口の直りも早い。これは乳がん手術の利点である。
- しかし、乳房再建のための乳房インプラント(シリコン)は大胸筋の下に入れる必要があり、せっかく無傷で済んだ大胸筋をわざわざ切開する。
- シリコンを入れる前段階(皮膚を延ばすための専用エキスパンダーを入れる)だけで7~14日もの入院が必要。※エキスパンダー:拡張器具
- その後3か月から6か月もかけて皮膚を延ばし、再び大胸筋を切開してエキスパンダーとインプラントを入れ替える。その時また数日入院が必要。
- そうまでしてもインプラントは10年目安で入れ替えが必要
- 乳房再建と言い換えているが、手術自体は美容目的の「豊胸手術」と同じ
なので私は女医にこう言い返しました。
私「豊胸手術に対しては、10年おきにインプラントを交換する手間や、異物挿入に対するカプセル(膜)拘縮、感染症・合併症など諸々の危険性を説いて、それでもやりますか?と尋ねますよね。危険性において全く同等のことなのに、乳房再建と名前だけすり替えて美化して、むしろ推奨するのはなぜですか?」
インプラント法
※自家組織再建法もあるが、私は160㎝46㎏の瘦せ型で、余分な脂肪が一切ないため不適当。
女医の顔が固まって、言葉に詰まりました。
(何で、患者のくせにそんなに詳しいのよ!?)
と顔に書いてあります。
HSPの特性のひとつに、こういった言外のかすかなサインに非常に敏感というのがあります。本人がポーカーフェイスで隠してるつもりでも、非常に高確率で内心を読み取ってます。
女医「命が助かっても、胸のふくらみを失うことで女性患者さんのQOL※は著しく下がるというデータがあって・・・喪失感が・・・アイデンティティが・・・」
※QOL(Quality of Life:クオリティオブライフ:人生の質(自分の人生に対する満足度)。1946年にWHOが提唱。
私「胸が自分のアイデンティティだと思う方は再建すればいいでしょう。でも私は思ってません。だからやりません。以上です」
しばらくの沈黙の後、女医は捨て台詞を言いました。
女医「へ、へーえ。アナタ、変わってるわね!!」
私は礼も言わずに黙って診察室を出て、会計を済ませた後病院事務所へ行き、談判しました。
私「私は間もなく執刀医が決まるはずの者です。今日の〇〇✕子医師だけは私の執刀医にしないでほしい」
事務員「な、何がありましたか???」
私「これこれこういうことを言われ、非常に不愉快でした。病院の再建率を上げるために再建をゴリ押しせよと、病院が指導されているのですか?」
事務員「そういうことは一切ございません!」
私「では、〇〇✕子医師だけは私の執刀医にしないでください」
事務員「わかりました!」
翌週私の執刀医に決まったのは、中堅の男性医師。余計なことを言わない寡黙タイプでした。
こういうことを実生活で言ってしまうと、必ず
「うわあ、あなた、クレーマーなのね。怖~い」
と言う(そしてさらに周囲に「あの人クレーマーよ」と言いふらす)人がいますが、これがクレーマーに相当するというなら、喜んでクレーマーと呼ばれて差し上げましょうか!と思います。
じつは・・・これで終わりではありません。
入院後も、手術前にバストケア下着(はっきり言って不要)を押し売りしようとする看護師&副師長(女性)ともプチバトルをやってしまった私です。
もう、どうせだからその顛末まで書きます。
たぶん今日明日中に。
➡To be continued. もう一回だけ。
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