私の話>「繊細」の意味を誤解する人
ネサフをしていると、見知らぬ方のSNSにHSPのキーワードを見つけることがあります。
そして、たまに、大きな誤解に気づくことがあります。
それは、例えばこんな意見です。
- 最近HSPをカミングアウトする人が増えてるけど、HSPって結局、発達障害の言い換えだよね。
- 発達障害だとビョーキだけど、HSPって言えばビョーキを認めないで済むからね。
- 誰だって、他人にひどいこと言われれば傷つくんだから。自分だけ「繊細なんですう」って、免罪符にしないでほしい。みんな平等!
- 音に敏感❓刺激に過敏❓そんなの「慣れ」の問題でしょ。誰だって努力して慣れてるのよ。甘えないでね。
酒(アルコール)が飲めない人というのは、肝臓のアルコール分解酵素ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)が少ない、または全く持たない人です。
肝臓です
- 日本人の約40%は、ALDH2の活性が弱い「低活性型」
- 約4%はALDH2が活性しない=アルコール分解能力ゼロの「不活性型」
そしてこれは遺伝で決まり、生まれた後でいくら訓練してもいっさい増えません。
「働かぬなら 働かせてみよう ホトトギス」
とはなりません。怠けて働かないわけではありません。
私はビールをひと舐めしただけで顔が真っ赤になり、気分が悪くなります。
アルコールを飲んで「顔が赤くなる」のは、急性アルコール中毒の症状です。
ちなみに私は消毒用アルコールでも皮膚が赤変します。
医師に「ALDH2不活性型」と明言されています。
昔は、そういう人に「飲めば慣れる」と酒を強要した結果、
「急性アルコール中毒で救急搬送されたが、病院で死亡」
というニュースが時折ありました。
今でこそ「アルハラ」というハラスメント行為と認識されていますが。
そして、かつてアルハラで他人を死なせた人たちは、とくに罪に問われてもいません。
それと同じで、HSPの「五感過敏」も生まれながらの脳の感覚野の特性で、遺伝の可能性が高いといわれています。
いくらうるさい場所に毎日通おうが、決して慣れません。
それでも無理にうるさい場所に通い続けたら、ストレスで精神が変調をきたします。
これが「HSPはうつになりやすい」と言われるゆえんです。
「私は慣れた!」と言ってる方は、
「私も飲んでるうちに酒に慣れて、今は大トラよ。ガッハッハ!」
と言ってる人と同じく、もとからそういう体質に生まれついているのです。
チーターがライオンに
「訓練すれば時速100㎞で走れる!私にできることが、あなたにできないはずはない!同じネコ科大型獣だから!」
と言っても、無理なものは無理。
逆にオスライオンがオスチーターに
「家族はいいぞ。子どもは可愛いもんだ。お前もいっぺん家族を持ってみろよ」
と言っても、どだい無理。
※チーターは単独生活者。例外なくメスが単独で子育てします。
HSPが日本で「繊細さん」と訳されているのも誤解の元なんでしょうか?
また、発達障害などと違って「病気ではない」というのも、叩きやすい要素なんでしょうか?
私は、私がはっきり認識する雑音を「聞こえない」「ぜんぜん気にならない」という人に「訓練して聞き取れるようになって」「ちょっとは気にして」などと要求する気は微塵もございません。
なので「訓練して聞こえなく(あるいは気にならなく)するべき。私を見習って」とも強要してほしくない。
ただ、それだけなんです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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