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マンガ書評>㉔「母を片付けたい」:毒親訣別までの葛藤&搾取子と愛玩子とは


ナンバリング&再公開です。

初公開:2022/04/06 16:00



この記事続編です。




「母は汚屋敷住人」は、元々が爆発的に売れるわけではない大判コミックエッセイというジャンルの割にはメディアにもよく取り上げられ続けています。


ロングセラーな方だと思うのですが、続編はなぜか出版社が変わりました。


データ

出版社 :竹書房

ジャンル:バンブーコミックスエッセイセレクション

タイトル:母を片付けたい

作者  :高嶋あがさ

出版年 :2017年

ジャンル:コミックエッセイ(実話もの)


前作でも「毒親」と書かれていた作者の母親のネグレクト(育児放棄)の実態が踏み込んで描かれています。


作者の家庭では作者(長女)が「搾取子兼愛玩子」で、弟(長男)は完全に無視(放置)されていたそうです。


日本では、男女のきょうだいの場合「男子偏重」の旧弊※から
「男児が愛玩子、女児が搾取子」
として扱われるケースが多いと言われますが、これはちょっと珍しいケースですね。


※旧弊(きゅうへい):古いしきたりの弊害


搾取子(さくしゅし)と愛玩子(あいがんし)とは❓


機能不全家族(俗にいう毒親育ち)にしばしば見受けられる、親が押し付けた兄弟姉妹間での子供の役割(差別的役回り)の名称。

搾取子:

親のストレスのはけ口役を押し付けられた子供。

きょうだいの中でその子だけ、必要品すら買ってもらえない。

暴力・暴言を受ける、手伝いを超えた量の家事を一人でやらされる等の差別待遇を受ける。

それに従っても褒められない。

塾・習い事、時には進学すらさせてもらえないなど。


愛玩子:

ペットのように自慢し見せびらかす役を押し付けられた子供。

きょうだいの中でその子だけ何でも買い与えられ、綺麗な服を着せられ、わがままを言っても悪さをしても怒られず、手伝いも免除される。

しかし親の自慢が目的のため、進路等も全て親の押し付け以外は許されない。


弟さんとの関係


作者によると彼女はこの二つの役回りを同時に押し付けられ、分不相応な中高一貫お嬢様学校へ。
(茨城で有名な私立の中高一貫女子校というと、あそこ※かあ😓)


※中学初年度の学費が1,300万円超もする、ミッション系お嬢様校。
中高6年でいくらかかったのか…。


ちなみに本人の希望(全く別の学校。そちらも受かっていた)は無視されたそうです。


一方で弟さんは、予備校代は自分のバイト代でまかない、大学は特待生(学費免除)で通ったそうです。



また弟さんはろくに食事もさせてもらえず、ひょろひょろに痩せ細った、ひと目でわかる
「ネグレクト児」。


「給食命」「友人宅を渡り歩き、夕食をご馳走になる」状態だったそうです。
お友達の家で出された紅茶のシフォンケーキのエピソードは泣けてきます。


👆こんなこと言われてもこの子を出禁にしなかった友人のお母さんは偉い。


👇これが紅茶の葉っぱ入りの紅茶のシフォンケーキです。
画像はクラシルより。



しかし作者曰く「歳が離れているのと自分(と母親の関係)のことで精一杯で、弟の状況に気づけなかった」「大人になってから弟に申し訳なく、後悔している」そうです。


食事を与えられたとしてもこの凄まじさだったようですが

自分育て直し


この本の副題は「汚屋敷で育った私の自分育て直し」です。


30を過ぎてようやく精神的に毒母の呪縛と決別した作者が「自分なりの片付け」「生き方」を見つけていく話です。
それが「自分育て直し」。


しかしこういう親を持つと結婚にも苦労するようで、姉(40代)も弟(おそらく30代)も未だ独身。


弟さんに至っては、結婚を意識した彼女に(結婚するには話さないわけにはいかないため)母親の話をカミングアウトしたところ、彼女から


「お母さんのことそんなふうに言うのは良くないよ❗️」
「おかしいよ、話し合えばきっと分かり合えるよ❗️」


と、まるで話し合いをせず親を避けている方が悪いと言いたげな言い方(ザ・正論攻撃)をされ、全く話が通じず、とうとうお別れになったそうです。


世の中、正論が通じる人間ばかりなら苦労はしない。


その時の彼女はこの本を読んでいるのでしょうか❓
まあ99%の確率で、とっくに別の男性と結婚なさってそうですけどね。


この2冊、続けて読もうものなら、今が何月だろうがお構いなしに今すぐ家中の大掃除をしたくなること請け合いです。


作者はこの後もう一冊コミックエッセイを出していますが、あいにく未読です。
読んだらまた書くかもしれません。