実話>人材派遣の裏話❶選考面談イエローカード編
私は5年前まで派遣で働いていました。
事務職です。
今は時代の流れやら働き方改革やら何やらで、派遣会社もコンプライアンスを守るようになっていることかと思います。
しかし10年以上昔はゆるゆるでした。
例えば、昔から派遣法では選考のための面談は禁止されていました。
しかしほとんどの会社が
「選考のための面談ではない。単なる職場見学である」
という詭弁を使って、ごく当たり前に堂々と選考面談を行っていました。
派遣を始めた頃、こんなこともありました。
派遣先企業での面談に行くために派遣会社の営業との待ち合わせ場所に着くと、一人枠の求人のはずなのに私以外にももう一名の派遣スタッフがいる。
同じ派遣先の別部署の求人案件かな❓と思ったら、やってきた営業、堂々と公言。
「二人の中からどちらかが選ばれますから❗️」
あんまり堂々と言うので、ついつい
「それは、派遣法に抵触してませんか❓」
と言ってしまいました。
抵触してるのは明確でした。
営業の若い男性は、ギョッとした顔で
営業「(派遣業界)大手のX社もZ社もやってることですよ。当社は事前面談をしません、選考はさせませんなんて言ったら、どこの会社からも求人なんか来ません。あなたは、そういうことを言うなら、どうぞ派遣じゃなくて正社員に応募してください❗️」
すると、いかにも世渡り上手そうなもう一人の女性(A子さんとします)が、すかさず
A子「私は、複数の中から選ばれた方が、光栄に感じます❗️私はむしろ面談歓迎です❗️」
とゴマスリ発言。
満足そうに微笑む営業…。
(あ、こりゃ、面談の場で営業氏はこの女性を推すな)
と直感しました。
もう茶番劇確定だからこのまま帰ってもいいかなという感じでしたが、自分の推理力を見届けようかと思って、キャンセルせずに面談先に行きました。
案の定の展開で、営業氏は露骨なほどA子さんを推しまくります。
その日のうちに結果連絡がありました。
営業「今回は残念でした〜。今のところ他にご紹介できる仕事はありません❗️(嬉しそう)」
私「はあ、そうですか(他の派遣会社に登録に行くか)」
しかし、3日後、急展開が待っていました。
留守電にものすごく切羽詰まった営業の声で
「至急❗️折り返しください」
と入っていたので電話をかけると
営業「エンドウさん、先日ご面談いただいた会社に、明日からご出社お願いできませんか❗️❓」
何があったのかと聞くと、前日(面談の翌々日)に派遣先に初出社したA子さんが1日で来なくなったとのこと。
派遣先に1日2日出社して突然来なくなる「バックレ」は、この世界では割と日常茶飯事に起きてます。
営業「お願いします❗️お願いします❗️時給を、100円上げさせていただきますので」
この場合、もちろん派遣先に時給アップ交渉などできません。
派遣会社が中抜き(マージン)分を減らすのです。
例えば別の派遣会社では、
- 派遣先から派遣会社への支払額:時給2,500円
- 派遣会社から私への支払額 :時給1,600円
- 差引額(派遣会社のマージン): 900円
でした。1/3以上の中抜きですね。
👆この時は派遣先部署が経理課だったのです。
自分の給与の処理を自分でやったので知りました。
つまりはこの中抜き分を800円に減らして、私に1,700円払うように取り計らうということです。
営業「A子さんは急病で来れなくなったと先方には説明してあります」
私 「本当の理由は何なんですか❓ブラックだったとか、契約外のことをやらされたとかだと私も受けれませんので、きちんと教えてください」
営業「それが、会社の電話に『やめます』とだけ留守電が入っていて、本人の携帯には連絡が取れないんですよ」
結局、もう一声❗️と150円アップで承諾しました。
それでも、上の例でいうなら派遣社員が1時間働けば750円、1日8時間働けば6,000円のマージンが入るんですから、十分ですよね。
※派遣会社の取り分は会社により、派遣先により、また案件により違います。
(余談)👇フリーランスの世界の中抜きはもっともっと露骨らしいですね。
派遣先は特にブラックではなく、仕事内容も契約通り、仕事量もごく普通、人間関係もまあ平均的でした。
ただ、A子さんがバックれたことは、別に私がうっかり漏らさなくとも皆さんバックれだと認識してました。
派遣先社員「面談の時、おたく(派遣会社)の営業さんがA子さんばかり売り込むから、こっちもついA子さんが本命なのかなと思って(A子さんを)選んだんだけどね💦」
と、打ち解けてから言われました。
派遣ネタは他にも持っていますので、また書くかもしれません。
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