心理学>拡張自我❷運動選手が一見邪魔そうなアクセサリーを付ける心理・後編
この記事の続きです。
人間は素の自分自身だけでなく、自分が持つ有形無形の所有物を全て自我(自分)ととらえていると書きました。
心理学では「拡張自我」と呼ばれます。
それが高級(と世間に認められている)品であればあるほど、自分が高級で、偉くなった気がして、自信がつく。
「ブランド物をこれみよがしに纏うのはニワカ成金である。
真の金持ちは、意外と慎ましい格好をしているものである」
などという言い方がよくされますが、生まれつきの代々のお金持ちには、生まれ出る時にくわえてきた銀の匙(ぎんのさじ)という最強アイテムがあります。
銀の匙(Sllver Spoon):
欧米で「上流階級の家柄・財産」という意味を持つ。
銀の匙をくわえて生まれてくる:
裕福な階級に生まれつくこと。良家の子女のこと。
イマドキの日本語で言えば「親ガチャ」ですね。
無形の拡張自我=銀の匙(家柄、地位、名声、一族の富)をたくさん持つゆえに
有形の拡張自我=高級品・ブランド物を控えめにしても平気だということでしょう。
さて、タイトルのスポーツ選手です。
スポーツ選手の中には、競技中も試合中もアクセサリーをつけている人が結構います。
「御守りアクセサリー」と呼ばれているようです。
有名選手が好むアクセサリーと同じもの、あるいは似たようなものが
「アスリートアクセサリー」と銘打って売られています。
👇羽生選手のお気に入り「ファイテン」は一時結構売れたようです。
アクセサリーをつける人は、そうした拡張自我アイテムによって自信を高めようとしている可能性があります。
もともと、人類のアクセサリーや化粧の起源を遡ると、呪術(まじない)に行き着きます。
稀少な鉱物(金・銀・宝石)は滅多にないゆえにそれ自体が神秘的なチカラを持っており、身につけることによってその魔力が装着者にも宿るという考えです。
オーディエンスである我々から見ると「邪魔じゃない❓」というくらい大ぶりのアクセをつけているような選手もいます。
しかし彼らは拡張自我によるパフォーマンス向上分と、重さ邪魔さを天秤にかけた上で、効能の方が高いと判断したゆえに付けているのだと言えます。
もちろんお守りに頼らずとも自信に満ち溢れ、ベストなパフォーマンスを出せるに越したことはないでしょう。
しかしそういう人は実際のところ少数派です。
また、拡張自我を利用しさえすれば誰でも思い通りにパフォーマンスを上げられるかというと、残念ながらそうでもありません。
つまり、拡張自我を利用すれば成績を向上させられる特性を持つ人は、そうでない人よりもひとつアドバンテージを持つと言えるでしょう。
暗示にかかりやすい人なのでは❓ですって❓
なるほど、そう言えばそうかもしれません。
しかし現在のスポーツの世界ではイメージトレーニング(=自己暗示)を重視します。
良い方向への自己暗示は積極的にかけるべきなのでしょう。
私は、外国人選手のぶっとい金のネックレスとかに実は苦手意識を抱いていました。
👇揺れて邪魔でしょう❓って。
👇装いも化粧も採点のうち、の競技ならまだしも
👇サッカーに必要❓とか、野球に必要❓とか。
清原に至っては「似合ってないし😓」とか。
しかし最近は
「まあそれで本人のパフォーマンス、ひいては勝率が上がるのなら、しょーがないか」
と思うようになりました。
化学物質と違って、合法ですし。
好きか嫌いかと問われれば、今でも「似合わない人は嫌い」ですけど。
そういえば外国人アスリートはタトゥー率も高いですね。
長くなってきたので、タトゥーについてはもう一回だけ続きます。
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